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シャークネードのblacknessfallのレビュー・感想・評価

シャークネード(2013年製作の映画)
3.5
そのぶっ飛んだバカバカしさから人気シリーズになったわけだけど、改めてこの一作目見ると、そんなにバカじゃなかった。

サメが襲うシャーク・アタック・シーンなんて優等生と言っていいぐらい"ジョーズ"のスタイルを踏襲したカメラ・アングルが頻出してたし。バカ・モンスター・パニックっぽさは希薄なんだよね、特に前半は。一応、ちゃんと水を伝ってサメが現れるし雑だけどリアリティーの担保に気を使ってるんだよな笑

人物描写も丁寧。しかもこれは全シリーズ見てる今だから言えるけど、明かされたエピソードがちゃんと続編に活かされてる。アベンジャーズ・シリーズを意識したかのようなこの仕掛けは当初からの計画なのか?気になる。

ジョーズを踏襲してるって言ったけど、まったく反対のとこもある。
危機に対処する時にほとんどの人が主人公のフィンにとっても協力的なんだよ、事態を軽く見てバカにするやつが一人だけ出てくるだけで、他の人達は割りとあっさりフィンに同調し一丸となってシャークネードに立ち向かう。

こういう展開だと人間ドラマとしては薄味になるけど、かわりに話がサクサク進むし、胸クソな卑怯者がいない世界になるから皮肉な気持ちになることなく登場人物達の側に立って話に入り込める笑
だけに、話の軸になるフィンと奥さん、フィンと娘のそれぞれ亀裂の入った関係性とそれへの修復のドラマもそれを見守る人達が全員いい人なんで幸福感が割増になってるように感じた。

これは深くは考えてのことじゃなくて色々なモノを優先させようとした結果、「人間の持つ悪意」がたまたま不在になって、この心地好いバランスになったんだと思う笑

ラストに"fin"の文字が出てエンドロールへ、これけっこうびっくりした。今時ないよね、こんな70年代みたいな終り方、フィンとかけてんだろうけど笑
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