このレビューはネタバレを含みます
音楽は当然素晴らしい。
そしてめちゃくちゃお金がかかっていてゴージャス。中世の衣装、部屋やオペラハウスのセット、実際のオペラを観ているような完成度の高い舞台。
ただ自分が勝手にモーツァルトにイメージしていた早死した孤高の天才作曲家とはだいぶ違っていた。
軽薄で自信家でアル中で下卑た笑いをする男。はっきり言って才能が無ければクズだ。
そして語り手のサリエリはモーツァルトの才能に嫉妬して間接的に彼を殺してしまう性格の悪い男。そのくせ彼の才能を一番認めていて一番のファンだからねじ曲がっている。モーツァルトの死の間際に作曲を手伝っていた時が一番生き生きしていた。神に救いを求め、自分の才能の限界を知り神を恨む彼が最も人間臭いかもしれない、
世界観は本当に素晴らしいのだが、主役の2人がどうも好きになれなかった。多分奥さんが一番まともだと思う。