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紙の月のoden8のレビュー・感想・評価

紙の月(2014年製作の映画)
4.5
"偽物だから。幸せだったんです。あの時。幸せだけど、いつか終わるなとも思ってた。悲しいんじゃなく。当たり前に。だって。そういうものだから。本物に見えても本物じゃない。初めから全部、偽物。"
by リカ

"あなた惨めなの?そうなの??あたし、あなたのこと考えてた。最近。ずっと。"
by 隅さん

"受け取っちゃったら多分変わっちゃうよ。"
by 平林 光太

"偽物なんだから壊れてもいい。壊したっていい。怖くない。そう思ったら…。なんだか、体が軽くなったみたいで。あぁ、あたし自由なんだなぁ。って。"
by リカ

はい。私。心をぐっちゃぐちゃにされました。どういう感情で観たらええねんっ!??只今絶賛、感情のカテゴライズが行方不明なんですけど。

典型的な破滅まっしぐら型の思考回路なのよリカさんが…。抑圧からの脱却を、"自由"と勘違いしてもうてんのよね。おイタタタっですよ。
ですよなんだけど。僕が自分を客観視できたとしたら…リカさんタイプだよねぇ〜んっ!!!!!どイタタタタタ〜ッ!

感情が乱れに乱されてもうたので、論理的に説明はできへんけど。ちゃんときちんと丁寧に破滅への階段を着実に一歩一歩上がっていってはるのよね。自己実現のプロセスのこなし方が完璧なのよ。結果は勿論、社会的にはアウトなんだけど。故に、感情が乱されちゃうのね。どうして、そのマインドを適切な方へ向けれなかったんだ??とね。

その起因としては、現在だけを見れば…心が満たされていなかった。で、終わってしまうのかもしれないけど。過去を見ると、その頃から歪んではいたよね。理想と思想がちぐはぐというか。正論を唱えながらも、魂が追いついてないというか。甘いよね。そしてぬる過ぎだよね。

破滅型のリカさんと、それに対して圧倒的管理型の隅さんの対比が。もうね、凄まじいのよね。隅さんが真っ当過ぎて、ぐうの音もでませんの。
そりゃ〜、リカさんみたく椅子で窓ガラスをぶち割りたくもなっちゃうよ。だって…だって…破滅型の人間には、そうすることでしか感じることができへんのやもん。生きているという実感がさ。
そんなのダメだって分かっているのにね。

決して、感情移入してはならない女性に…リカさんに、僕は感情を重ねてしまった気がするの。
人は正しいか正しくないか、清らかか清らかではないか。だけで生きられる程、強くはないのかもしれない。これは、心の弱い人間の言い訳に過ぎないのだけど。

今宵見た月は偽物だけど
ワタシにとっては
本物よりも価値がある
本物でないことは知っているわ
だけど だったとしても
感じてしまったの
ワタシを狂わせたのはお金じゃない
ワタシを狂わせたのは
紙で創った幸せ
与える幸せよりも ありがとうの悦び

"主の言葉を思い出してください。受けるより、与える方が幸いである。"
by シスター

"じゃあ…おしまい…。…。…。おしまい。"
by リカさん

"あんたぁ…。何か、勘違いしてる。俺があん時国債買ったのは、あんたのした提案が面白いと思ったからだ。"
"ノルマそんなに厳しいのか?今まで通りでいいんじゃないか?焦らなくても大丈夫だよ。"
by 平林様(カンゼンニエロクソジジイダトオモッテタヨ~ゴメムナサイッ!!!!)

"あたしも、徹夜したことなかった。誰かと朝までずっと起きてたいと思ったことなんてなかったから。"
by リカ

"渡るの?渡らないの?"
by 隅さん

Cast(役者·キャラ) 5
Story(物語) 4.5
Architecture(構成) 4.5
Picture(画) 4.5
Acoustic (音) 4
24-30
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