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イン・ザ・ヒーローのodyssのレビュー・感想・評価

イン・ザ・ヒーロー(2014年製作の映画)
3.5
【もう一つの太秦ライムライト】

最近の邦画にありがちなタイプの作品です。つまり、或る業界内部を描くことで面白さを出す、という映画。今回はスーツ・アクター業界ということですね。

そういう意味では或る程度成功しています。最後も、ちょっと荒唐無稽な感じはするけれども、盛り上がりという点では悪くない。

ただし、この映画、すでに指摘されているように、少し前の邦画に似ています。『太秦ライムライト』ですね。いずれも映画業界内部のお話で、その中で日の当たらない役をやってきた人間の悲哀とプライドを取り上げている点で同じなのです。

しかも、です。松方弘樹が両作品に出ていて、いずれも似た役柄なんですよね。これ、ちょっとまずいんじゃないの、と思いました。水戸黄門じゃないんだから(笑)。

また、若くてこれからという人物と、長年日陰の役をやってきた主人公を対比させて物語が進む、という点でも同じです。うーむ・・・・

この辺が邦画の限界なのかなあ。業界内部を描くにしても、物語のパターンを工夫する必要があると痛感しました。
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