けんざ

劇場版 テレクラキャノンボール2013のけんざのレビュー・感想・評価

3.9
まず最初に、自分は劇場版を借りたつもりが誤ってオリジナル版を借りていたので、10時間丸々AVを観るハメになりました。勿論フルの方が見応えたっぷりではありますが、レンタルする人は注意して下さい。南無。

本作は、AV監督カンパニー松尾の代表作「テレクラキャノンボール」シリーズの一編。率直に言うと、とんでもなく最低で最高な作品だった。男たちの荒唐無稽なチャレンジに爆笑の連続。男友達と一緒に見ると盛り上がるのは間違いないが、同時に世に出してはいけない映像でもあるなと心配になる。

テレクラキャノンボールの概要を説明すると、挑戦者の男たちがAV女優とSEXできる権利を懸けてロードレースとSEXレースに挑むというもの。ロードレースでは車で長距離を移動し、SEXパートでは各地でナンパに繰り出し、SEX中一定の条件をクリアすることでボーナスポイントが入る。

これがまぁ不思議なもので、やっていること自体は最低で今のご時世ではアウトなものも含まれているのだが、何か一つがむしゃらに努力している人たちを見るだけで不思議と胸が熱くなってしまう。だから、これはエロを下敷きにした青春ムービーと言えるのかもしれない。また、奇しくもナンパ というシステムによって出会いが一期一会であることを実感させられた。女の子には様々な背景があり、それも暗いものばかりで、ただ笑っていられるだけの話ではない。7年前の夏、確かに仙台と札幌で男と女たちの物語が存在していたのだと思うと感動すら覚える。

主題歌含め劇中のテーマにWeekday sleepersを持ってきたのも最高で、青臭さや切なさを引き立たせる完璧なBGMだった。内容の下品さを良い具合に中和している。

ただ終盤の札幌編は、出演者が本気を出しすぎたあまり、見る人を選ぶ内容となっているので要注意。爽快かつ胸糞の衝撃的一本。
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