世界経済が崩壊し荒れ狂った大地は、乾いた空気と砂埃の廃虚の街。
タイヤとコンクリート道路の隙間から舞い上がる砂は煙りとなって、景色だけでなく主人公のココロも灰色に曇らせているよう。
何故、執拗に盗まれた愛車をそこまで彼は追うのか…
主人公の必要最低限の言葉しか発しない静かで冷酷な感情は、希望を失った絶望の世界が作ったものだけではない。
派手さはなく大きなストーリー展開も少ないが、主人公の内に秘めた感情と行動は相当なマッド感を感じる。
ロバート・パティンソンの割れたガラスを少しづつ握り締めるかのような、ピリピリとした演技が意外によかった。
邦題が安易で残念…(u_u)