わたがし

ジョン・ウィックのわたがしのレビュー・感想・評価

ジョン・ウィック(2014年製作の映画)
5.0
 人がたくさん死ぬのでとても楽しく観れたのだけれど、それにしても全編を通してとても地味、というか最近の(同じようにたくさん人が死ぬ)『キングスマン』と比較してしまって「なんでこんなに生真面目なんだ…」と思わずにはいられない。なんでそんなに血がちょっとしか出ないんだ!うわあ!
 それにしてもキアヌ・リーブスというスター俳優、本当に「スター」っぽい演技を全然せずにリアルにリアルにキャラクターをみっちりと演じる。そしてそれに応えるように演出もきっちり外さないし悪ふざけもない。そういう雰囲気も昔は好きなはずだったのだけれど、最近の『キングスマン』とそして何より昨日観た『マジック・マイクXXL』で完全に頭をやられてしまっているので、個人的には何とも煮え切らない印象になってしまった。映画を観る時期って大事。
 それでも興奮する個々の演出はあったし、オープニングのがっちり固定からのカメラがガクっと主人公の心情と同時に崩れるような演出、終盤のバカ息子の友達がテレビゲームをやってる場面などなど、とっても好き。最後の戦いでの銃声と雷音の区別が曖昧なのもめっちゃくっちゃに良い。そうやって長所を最後に羅列しておけば前半はどんなに酷いことを言ってもゆるされると思ってる。こういう文章においても、会話においても。最後に気持ち良くシメることが大事なのだ。キアヌが首をシメるように!ジョンウィック!
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