さくらんぼ

ショート・タームのさくらんぼのレビュー・感想・評価

ショート・ターム(2013年製作の映画)
4.3
グレイス(ブリー・ラーソン)は問題を抱えるティーンエイジャーのためのグループホームのケアマネージャー。恋人のメイソン(ジョン・ギャラガー・Jr)と働いている。このグループホーム「ショートターム」は虐待を受けたり問題を抱えた18歳以下の子供達を一時的に預かる場所。子供達は皆傷つき苦しんでいる。

それを支えるグレイスも過去の出来事の苦しみから抜け出せないでいる。恋人との間に赤ちゃんができたこと、自分と同じような境遇のジェイデンが入所してきたことで、自分の過去と向き合い始める。

みんな何かしらの問題を抱えていて胸が痛かった。まだキャプテンマーベルになる前のブリー・ラーソンが、手探りだけど全力でぶつかるヒロインでした。
バットを持って救い出そうとする姿も、上の人に食ってかかる姿も、子供達の肩にそっと手を置く姿も。

途中、子供達がラップや自作の物語で心の内を訴えるシーンに心打たれます。

そしてジャケが秀悦。
脱走する自閉症のサミーを皆で追いかけるシーンで始まり終わるんだけど、最後はサミーも少したくましくなっていました。そして1番最初にすごいスピードで走り出すブリー。子供時代に愛を与えられたことがなかった彼女が模索しながらも愛を与えよう寄り添います。

フレディ・マーキュリー役をする前のラミ・マレックも少し出てますが、監督は実際にこの施設で2年働いたことがあってラミのような立場だったとインタビューで語っていました。

観始めてすぐは、クリスマスに観る映画じゃなかったと思ったけど、最後の施設を卒業したマーカスのエピソードを聞いて愛を知って愛を与えている子がいる事に光が見えて心が温かくなりました。観て良かった。
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