ユート

PAN ネバーランド、夢のはじまりのユートのレビュー・感想・評価

3.4
永遠の少年、ピーターパン誕生までを描いたファンタジー作品。



◼︎ ピーターパンの前日譚。これって原作あり?

ピーターパン自体あんまり詳しくないんですが、気になったのは本作の元になったお話は存在するんでしょうか?
もしオリジナルストーリーならば、世界的童話「ピーターパン」への繋ぎがあまりにもなさすぎるように感じました。
といっても僕、アニメの「ピーターパン」は見たことないんですが、そんな僕でも知っている「ピーターパン」の知識はというと、

・ピーターパンは大人にならない。
・ピーターパンは空を飛べる。
・ライバルはフック船長。
・フック船長はワニと時計が怖い。などなど…

この先フック船長ことジェームズ・フックは誰もが知っている悪役にならなくてはならないのに、ちょっとヒロイックに描きすぎなんじゃないでしょうか。
死線を共にして切れそうもない友情を誕生させるピーターとジェームズが、この先いがみ合う仲になるかと思うと、ときたま心が痛く感じちゃうんですよね。
ずる賢さとか少し卑怯な部分とかがあってもよかったかなって。その点スミーはイメージ通りでした。



◼︎ 「ピーターパン」に繋ぐユーモア不足

”ワニ”とか、フック船長が嫌いな”チクタクチクタク…”という音、”ジョリー・ロジャー号”などなど「ピーターパン」を連想させる言葉が数々でてきますが、そのほとんどが連想させるだけで「ピーターパン」に紐付かないんですよね。
みんなが知っているものを並べればいいというだけではなくて、そこに少しばかりのユーモアが必要かと思います。
例えばインディ・ジョーンズはヘビが苦手で有名でしたが、3作目の「最後の聖戦」の冒頭、ヘビを余裕で触るというユーモアが演出されています。
誰もが知っている過去や未来を演出するならクスッとくるユーモアが欲しいものです。



◼︎ ギャレット・ヘドランドかっけぇ!

初めて認知したのは「トロン:レガシー」。その後「オン・ザ・ロード」を経て本作に至ります。「オン・ザ・ロード」でも微妙に感じたんですが、本作の彼はめちゃくちゃかっこいい!フック船長がヒロイックなのは、なんとも言えないですが、本作のジェームズ・フックとして見るとめちゃくちゃ男前です。
整った顔に渋い声!今後の活躍が楽しみになっちゃいました。
よくよく調べてみると初めて「フォー・ブラザーズ」や「トロイ」にも出てたんですね。初めてみたのは「トロイ」かな。



◼︎ 不在の悪役フック船長、その代役

悪としてのフック船長が不在のためその代役に持ってきた海賊はなんとあの”黒ひげ”エドワード・ティーチ!
実在の海賊でカリブの海賊の代名詞といってもいいのではないでしょうか。
この人が実は生きててネバーランドを荒らしてた!という設定はなかなか興味深いものでした。
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