Wacky55

ハッピーエンドが書けるまでのWacky55のネタバレレビュー・内容・結末

3.9

このレビューはネタバレを含みます

主人公サマンサと彼女と同じ大学に通うルイス、サマンサの父ビルと元妻のエリカ、そしてサマンサの弟ラスティとクラスメイトのケイト、それぞれ3組の恋愛模様を描いた作品

感想:
ユーモアさとコミカルの要素をもう少し入れても良かったというのが正直だが、小説家を目指している方にはお勧めの映画だと思う。

また興味深い所もいくつかあったのでまとめてみた

1. サマンサとエリカ
ビルと別れて新たな男と付き合ったエリカの影響で、愛を信じなくなってしまったサマンサ。最終的に2人は和解することにはなるが、それまでの2人の間には完全に溝が生まれており、サマンサはエリカをひどく憎んでいた、というふうに描かれてはいるが、しかし実際は、サマンサはエリカを完全に嫌っているわけではないのではないか、と思えるような場面があった。それは、物語の序盤での終わり、ライブバーでルイスが参加しているバンドの演奏を見ていたサマンサに、エリカから電話がかかる場面だ。普通ひどく嫌うのならば、エリカの電話帳をすでに消去しているはずだが、なぜ残していたのかが少し気になっていた。しかしその後、サマンサの出版記念を祝うパーテイーで、ビルとエリカが会話する場面。

ビルがサマンサに、エリカが好きな本はジョン チーヴァーの “りんごの世界”だと教えた際に、サマンサが勝手にその本を取ってしまった、なぜならエリカのことを感じたかったからだと思う

というエピソードをビルがエリカに伝えている。この場面を見た際、個人的にサマンサは、心の中でまた一緒に母親と暮らしたいという思いがあるが、自分たちを見捨てたという激しい思いがあったりと、複雑な心情を抱えているように見えてしまった。そのため、最後に2人が和解するという形は、とても良い終わり方だと非常に思った!

2. その後のラスティとケイトの関係
もう一つ気になったポイントはラスティとケイトのその後はどうなったのか。ラストの場面、ラスティがケイトにも招待しておいたとサマンサ達に言っているのだが、しかし最終的にはケイトは来ないというような形で、物語は終わってしまっている。描かれてはいないが、ケイトは会いに来たと思う、いや2人は完全に別れてしまっただろうと、ここの部分に関しては、様々な解釈ができると思うが、個人的な解釈としては、

“今は会えない、だがそのうち戻ってくる”

ケイトは結局ラスティの所には来なかったと思う。おそらく、更生施設に入っているため、自分が完全に更生するまでは、ラスティの所へ会いに来ないのではないかと思う、そしてラスティは、ケイトに手紙を送ったりとまた戻ってくれることを信じて待ち続けるのではないかかと個人的に思った
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