rage30

ハッピーエンドが書けるまでのrage30のネタバレレビュー・内容・結末

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このレビューはネタバレを含みます

母親が離婚して去ってしまった家族の話。

父親・娘・息子の三者の恋模様が描かれる本作。
個人的には、娘のサマンサに感情移入して見ちゃいました。

リアリストぶって即物的な情事を重ねるものの、その実は、本気の恋をして自分が傷つく事を恐れているだけだったりして。
おそらくは母親の浮気が原因で愛を信じられなくなってしまったんでしょうけど、親の裏切りに反発したり、自暴自棄になる気持ちは分からなくもない。
そんな彼女に対して、真っ正面から向き合うルイスによって、少しずつ癒されていくのも良かったし、ルイスの親子関係を通して、自らの親子関係を省みるのも分かり易くて良かったと思います。

一方、父親と息子の話はイマイチ微妙でしたね。
父親は最後に元妻が帰ってきたから良いものの、帰ってこなかったらどうしたんだろう?と思うし、「新しい恋をしろ!」という恋愛規範的な抑圧も違和感を感じる部分。
そうではなく、元妻とは婚姻関係ではないパートナーシップを築く話にしても良かったかもしれません。

息子の方は、よくあるオタク青年の恋という感じで意外性がないし、話も上手く進み過ぎるので、あまり面白くなかったです。
まぁ、90分の中に3組の恋愛を描くとなると、あまり時間を割けないのでしょうが、だったら、思いきって息子のパートは全部削って、娘の描写に割いて欲しかったなと。
母親と娘の確執と和解が大きなテーマになってくるので、2人の関係性を掘り下げた方がより深いドラマを描けた気がするんですよね。

リリー・コリンズとジェニファー・コネリーは見た目も似てて、本当の親子に見えるし、もっとこの2人の絡みを見たかったな~と思わされる作品でした。
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