takanoひねもすのたり

複製された男のtakanoひねもすのたりのレビュー・感想・評価

複製された男(2013年製作の映画)
3.3
再鑑賞。

狙ったところはカフカ風な心理スリラーなのかなあ……
原作既読、サラマーゴの小説の映像化ってことで、監督独自解釈100%の作品になってるだろうと予想してたけど、原作のクセの強さを更に分かりやすいんだか分かりにくいんだかな仕上り、やはりヴィルヌーヴ監督、観念的。

大学の歴史講師アダム(ジェイク・ギレンホール)は同僚に勧められた映画を鑑賞中に、自分とそっくりな俳優アンソニー(ジェイク・ギレンホール)を発見する、瓜二つな彼に興味を持ち接触を図ろうとし、それが恋人メアリーを巻き込む自体に発展してゆく

ドッペルゲンガー、フロイトさん的に言うならイドとエゴ、もしくはアイデンティティの分裂と確認、アダムとアンソニーに共通するのは身体的特徴だけでなく自己破壊的な衝動もそう

彼が同一人物であるかどうかは作品世界ではあまり重要ではなく、内在する強い欲望と苦悩が2人の男性の無意識下で結びついていく過程と結果『カオスとは未解読の秩序にすぎない』→潜在意識の領域

蜘蛛の存在は比喩(原作には出てこない)解釈は観る側に委ねた形なんだろうと思う、タイトルに戻るなら『敵(脅威)』なのかな……
自己同一性を脅かす存在が現れると敵対するってことかなと私は解釈したけど正解は知らぬ。
ヴィルヌーヴ監督の解釈を私が理解出来るもんかいw