HidekiAndo

HUNGER ハンガーのHidekiAndoのレビュー・感想・評価

HUNGER ハンガー(2008年製作の映画)
3.5
俺は損得は考えない
結果がどうなるかも
行動あるのみ と考えるんだ


アイルランドとイギリスがどういう状況でるか以外の細かな説明は一切無く、どんどん映画は進んで行きます。
『刑務官の拳の傷は何?』『何の準備を?』等々が、ゆっくり分かっていきます。

『ボビー』は何かのタイミングで劇中で分かりましたが、『サンズ』という名字は、後半の両親が面会に来る際に名乗ってやっと分かる、という相当説明が少ない、逆を言えば非常にリアリティさが凄い映画でした。

エンドロール前の『ボビーはハンスト中に 北アイルランド選出の下院議員に当選』とか観ると、『他に方法はなかったものなのか?』と思ってしまいますね。

後半の司祭とのやりとりもカメラの動きはありませんが、『でもこれは演じてるんだよな』と観る側が意識した途端に、ものすごい緊張感のある長回しシーンとなり、ボビーがその考えに至った理由に集中してしまいます。

音楽もエンターテイメント性もない映画ですが、『どういった事があったのかを、広く伝える』という映画の役割は、見事に果たしていたと思います。
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