あみのさん

ハミングバードのあみのさんのレビュー・感想・評価

ハミングバード(2013年製作の映画)
3.8
着々とスタローンに続いて二代目男の教科書となりつつあるジェイソン・ステイサム主演の映画。軍をリタイアした男の役と言うことで「いつもみたいに事件に巻き込まれて悪役をボコボコにするんやろなぁ。最高や!」と軽い気持ちで見たのですが、なんと開始早々雑魚そうなチンピラにボコボコにやられるステイサム。「トランスポーターの時なら五秒で倒せてたのに…」といつものステイサム映画とは異なる雰囲気を感じます。 結局三十分くらいで黒スーツ&ネクタイで敵をボコボコにする通常運転ステイサムになるのですが。

しかし全体的にアクションは少なく、メインとなるのは罪を犯した男の贖罪です。ステイサムは戦地で無実の五人を殺し、其を無人偵察機「ハミングバード」に撮られていたために、裁判にかけられることになります。脱走して偶然金持ちのマンション(家主は長期出張中)に転がり込んで新たな生活を始めますが、無実の五人を殺した罪は、まるで「ハミングバード」のようにステイサムにつきまとい続けます。

そんななか出会った同じく過去に捕らわれたシスターと交流を深めながら、贖罪を続けるステイサム。全てを終えて、シスターに胸の内をあかすラストシーンにはぐっときました。


「罪と罰」というのは永遠のテーマですが、過去の罪にどう向き合うべきか、この映画を見れば「漢」ジェイソン・ステイサムがきっと教えてくれるはずです。ラストは若干切ないですが、「罪を背負う」という点では納得のいくラストでした。

過去に苛まれながらも向き合って生き続ける、そんな渋い生き方の映画が好きな人にオススメです。
あみのさん

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