史実とはかなり異なる部分も多いそうだけど、いい脚色の具合だと思う。
所謂世間一般で語られる「偉人」や「天才」は変わり者であった、というのはそのエピソードと共に語られるテンプレートであるけども、一概に変わり者と呼ぶのは安易な気がする。
彼は嘘がつけない人間だった。だからこそイギリスを救うことができ、だからこそ自分を失った。
彼の最期が詳細に描写されないのも、繊細でありグロテスク。
ただ、作中に出てきた兵士の大半も、その最期は描写されない。
天才であろうが、一兵士であろうが、国のトップ以外は皆平等に戦争の駒でしかない。
チューリングテストを自分に返してみる主人公の切なさよ。