このレビューはネタバレを含みます
英国のそして現代社会の礎となった男の物語。
舞台として第二次世界大戦時の英国が描かれているため、戦争とそれに立ち向かう天才数学者という一本の軸で進められる映画と決め込んでいたが、主人公チューリングが抱える悩みがその軸に絡みつき、濃厚な見応えのある作品になっていた。
ドイツ軍の暗号エニグマに立ち向かっていくチューリングたちの時間との勝負を分かりやすく表現するために戦闘機や兵士などの戦争の映像が迫り来るタイムリミットとして用いられ重苦しい戦争映画のようになってしまうことなく時代背景を映し出しているように感じた。
実話を映画というフィクションに落とし込む手法は数多くあるがこの作品では時間軸を前後させて見せるという形を取っていた。そのため単なるお話として退屈することなくストーリー性を保持した一つの物語として鑑賞することが出来た。
以前鑑賞したことのあるビューティフルマインドという作品と雰囲気が似ているように感じた。同じく実話を基に作られた作品として私はビューティフルマインドの方が映像から虚構を感じることが出来たのでより好みであった。
