映画観るマシーン

砂漠の流れ者の映画観るマシーンのレビュー・感想・評価

砂漠の流れ者(1970年製作の映画)
4.0
一人の男が砂漠の中で復讐の念に駆られるうちに目の前の幸福に気が付く話
復讐という形をとりながら、失われゆく西部開拓者精神をエロティックかつコミカルに、そしてハートフルに謳いあげた牧歌的寓話的作品

登場人物たちがみんな魅力的
中でも色情狂のエセ牧師
彼曰く、「神が女に与えた物の中で一番素晴らしい物は乳房だな、その数も場所も理想的だ」と
それに対するホーグの「まさか背中には付けんさ」って返しと呆れた顔がとても好き

ささやかな愛を愛でて、彼らしい落とし前をつけ、だけどホーグは新しい時代へ歩むことは許されない
彼は最期までフロンティアスピリットの体現者であった
まさに原題の通り「ケーブル・ホーグのバラード」

「善人ではなかったが悪人でもなかった、一番人間臭い男だった」