砂漠の流れ者の作品情報・感想・評価・動画配信

「砂漠の流れ者」に投稿された感想・評価

grimerlm

grimerlmの感想・評価

3.8
仲間に裏切られ砂漠に置き去りにされた男が泉を発見して商売を始める話。西部劇としては変化球だけど、恩を返し人を許すことでより良い物が巡ってくるような寓話的な印象を受けた。
サム・ペキンパー監督のアンチ・ロードムービーな西部劇です。監督の一番のお気に入り作品だったとのこと。へー、そうなんだ。ペキンパーらしい暴力性はほぼないんだけどなあ。

舞台は20世紀初頭のアメリカ中西部。砂漠の真ん中で仲間に水筒を奪われて一人残されるケーブル・ホーグ(ジェイソン・ロバーズ)が主人公です。砂漠を彷徨い、砂嵐の中で水源を発見します。その水源をもとに街をつなぐ中継地点のビジネスを始める主人公。裏切った仲間が再び訪れるのを待って、復讐の機会を待ちますが……という話です。

中継地点というのが象徴的ですよね。旅人たちが通り過ぎる場所。そこに留まる主人公。愛する人ができ、仲間もできる。しかし、彼らにとってもケーブル・ホーグは中継地点でしかない。いつかは離れていく。テーマとストーリーはボクも好きです。

それにしても映像技術的にはペキンパー監督の特徴が全く現れていないのが不思議な作品です。スローモーションもカットバックもない。リアルアクションもない。唯一、ペキンパー監督らしいのは冒頭のトカゲくらい。あれが唯一の暴力性かなあ。

自分の得意技を封印してまで、この作品でペキンパー監督は何を語ろうとしたんだろう?自己ベストと言うくらいなのだから、きっと何かあるんだろう。でも、ボクにはそれを感じ取ることができませんでした。悪い映画じゃないんだけど、ズバッと刺さる物はなかったかなあ。
ポテト

ポテトの感想・評価

4.0
もっと渋い映画かと思い込んでた。
そこは期待と違ったけど。
これはこれで好き!!
砂漠でのオアシスっていうのにロマンを感じる。
ラストは感動😭
一つの時代が終わる哀愁みたいなもの、味わい深さが残った。
全編とおしてコミカルな雰囲気、音楽も好き。
突然歌い出しちゃうとこなんかも。
映像?撮影?の感じもいい!
オープニングのスプリットスクリーンは個人的に萌えた🤣
そして何より!キャラクター!
主要人物みな魅力的。
おかげで少々のツッコミどころは笑い飛ばせる。
特に主人公のホーグはな〜(^^)
劇中の仲間たちのように、私もホーグの人柄にひきつけられた。
ジェイソン・ロバーズ好き〜。
な

なの感想・評価

3.8
2月21日はペキンパーの誕生日と知り、DVD買ったまま放置してたこちらの作品を鑑賞する。

あらすじを知らずに観たせいもあり、何処に向かって進んでいる映画なのか最後の最後までわからなかった。でも、その曖昧な、掴み所のない感じにモヤモヤを抱く事なく、妙に居心地がいい不思議な映画。
終わりと始まりの丁度真ん中に身置いているような、、、。
バイオレンスとアクションのイメージが強いサム・ペキンパーとは思えない程、前者の要素は影を潜めており驚いた。

同じく西部開拓時代の末期を描いたレオーネの『ウエスタン(1968)』等とは対照的に、復讐に燃えるガンマンもいれば、その裏側では復讐なんかは二の次に、町の娼婦に恋なんてしてしまうような流れ者もいた事に何だかほっこりするような、ハートフルかつラブロマンスに仕上がった作品。

インチキ牧師の汚い恋心(笑)や早回しでの笑い等もありつつも、決めるとこは男らしくキメる。

他の西部劇の世界なんかは恐ろしくて行けたものではないが、この作品のアメリカ西部には入り込んでみたい。
ペキンパー自ら“ベスト・フィルム”と言うだけはある。非常に好み。

変わり行く時代の中で生き抜いた男の物語。
ー”無様な乗り物だ!”
あー

あーの感想・評価

3.8
相棒達に裏切られた男。

水もない荒野を彷徨い歩き、
まさかの大発見!!

それは「水」

いま、蛇口を捻れば簡単にお水が
出てくるありがたい世の中だが。

砂漠の中に突然現れたオアシス。

そこに立ち寄ったエセ牧師の知恵で、
土地の権利書と駅馬車の中継点に。

何も無い場所から、オアシスを
作りあげたケーブル・ホーグ。

駅馬車の社長には冷たくあしらわれたが、
銀行の頭取からはまさかの希望した35ドル
どころか100ドル借りれた!!!!

からの、まずは気になった娼婦の元へw
おい笑 その為のお金じゃないどw

ケーブル・ホーグの生き様を堪能
しちまえる作品。

皿洗いも豪快だ笑

時代は変化していくけれど、
生き様を刻んで残したケーブルは漢やな。
カッコいい訳でもない。
順風満帆だった訳でもない。

しかし、何故か惹かれてしまうよ。
傑作でした。ツッコミどころ、胸を強調したヒロイン登場シーンのおっぱいフラッシュバックとか、が気にならないほどすばらしいですよ。主人公がとても魅力的でした。こういう生き方、人との接し方に憧れを持ってしまいます。砂漠とともに消え去る運命の男の一瞬の輝きですね。それが戦いではない、事業であることも胸にじんときました。とにかくおかしいことにはブチギレる、大きい声をだしていく、これを実践していきたいと思います。
かにょ

かにょの感想・評価

5.0

このレビューはネタバレを含みます

サム・ペキンパー監督作の中で一番好きで、もしかすると今まで人生で観た中で一番好きかもしれない映画。

どこまでも人間臭くて、優しくて、あたたかい復讐物語。

何故かはわからないけど、自分の人生のなかで「変わりたい」と思ったときいつも観ている映画だ。
それは、ケーブルが周りの人に恵まれたり恵まれなかったりしながら、本人も色々なことをやっていって、いつの間にかどんどん変わっていく姿を見られるからかもしれない。
人生ってそういうものなんだよな。

ケーブルとジョシュアが女性の魅力について馬鹿話するシーンとか、ヒルディの強さ・美しさ・可愛らしさとか、銀行屋の漢気、親切な御者、切なくて美しい音楽など好きなとこまみれの映画なんだけど、中でもジョシュアが最後にケーブルに捧げるセリフが好き。

「善人でもないが悪人でもない」
「どこまでも人間臭い男だった」
「神よ、彼を軽んじることなく天国に召したまえ」

どこまでも胡散臭い奴で言うことなすこと信用できないのに、このときのセリフはストンと入るんだよなあ……。

タイトルは「砂漠の流れ者」より原題の「ケーブル・ホーグのバラード」が好き。この映画は、自分の人生を生きる人間に捧げられたバラードだ。
akira

akiraの感想・評価

4.2

このレビューはネタバレを含みます

サム・ペキンパーの西部劇。黒澤清の最高傑作「人間合格」の元ネタ。

砂漠の流れ者ケーブルは2人のならず者に騙されて水を失い、四日間砂漠の荒野を彷徨う。神の思し召しか、倒れた荒地に水を見つける。ケーブルはそこに小屋を作り、町と町の中継地点で馬車のオアシスとなり、商いを初める。ケーブルはそこで自分を騙したならず者に復讐する為、待ち続ける。

町での土地の権利や、銀行からお金を借りる話。矢継ぎ早にヒロインの娼婦ヒルディと揉めて町を無茶苦茶にして逃げる話(胸のカットアップ)。それからインチキ牧師が女性を見ると直ぐに胸を触るヘンタイぶりをコメディアン風に撮る演出。全てがバカバカしくて、かつ緩急が完璧。故に下品でないのが素晴らしい。
中盤の蛇は伏線。ヒルディは一緒にサンフランシスコに行きたいとケーブルを説得するも、ケーブルは残る。
ヘンタイ牧師の語りが(なぜか)しみる
「人生の中で自分を変える女は必ず現れる」

そして三年半が過ぎてついにケーブルを騙した2人のならず者がやってくる。墓穴を掘るならず者。蛇作戦。銃を持った者を撃つ。復讐は果たされた。

そこに時代の変わり目、自動車がやってくる。
その瞬間、ケーブルはオアシスを出る決心をする。
自動車の主はサンフランシスコから来たヒルディであった。
「あなたの準備は整った?」
「ああ、ここを出るよ」
ヘンタイ牧師もバイクでケーブルを尋ねてくる。
「ダサい乗り物だな」→いつの時代も、新時代をけなす旧世代(プライド故)

自動車に轢かれそうになるならず者を助けて轢かれるケーブル。
冗談半分でベッドの上で葬儀を取り行う一行。

何もない砂漠の荒野の真ん中で、そこには人間の全てがあった。
良き人でも悪しき人でもなく、ただ人間くさい男ケーブル。
ケーブルの前をあらゆるものが通り過ぎていく。そしてケーブルも
また人間として我々の前を通り過ぎていく。

驚くほどシンプルで、エンタメとしての演出が研ぎ澄まされ、そして
深い経験と洞察に満ちた人間ドラマの傑作
映画初め。ヒロインの胸にアップしていくカメラが馬鹿馬鹿しい上に、その後もしつこくそのカットがフラッシュバックするっていうところで爆笑。ラストがめちゃいい。砂漠の流れ者は時代に押しつぶされ呆気なく去っていってしまう。
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