おさむちゃん

ホドロフスキーのサイコマジック・ストーリーのおさむちゃんのレビュー・感想・評価

3.6
ホドロフスキー原作という事で恐れおののいたが、監督が違ったので比較的スタイリッシュだった。
前半のみ。後半はややだらけていた。

エキセントリックな部分も多少はあるが、視覚的にはそれ程でもない。
瞬間的にホドロフスキーが出てきて、一番それがインパクトあったかもしれない笑

タロットやおまじないや夢が出てくるあたりがいかにもホドロフスキー。

主人公の女性の祖母は田舎町の名士で地元にいる人達の病気や悩みを無償で治す。
黒人差別を気にする黒人女性の顔を白塗りにし、広場に出て気にならなければ大丈夫。
無茶苦茶だけど、分からなくもない。流石のホドロフスキー。

男のサディスティックな愛情(?)とそれを受け入れる女。
男は妊娠を拒絶し、女は子供を欲しがる。

男が母親を自分のものにしたいというエディプスコンプレックス。そのような根源的な欲求がサディスティックの中に渦巻いていそうだ。

しかしなんともまあとりとめのない一本。

ちょっと陰で流れるような音楽は悪くなかった。
ビリーホリディの奇妙な果実を歌う歌手がいるバーってのは凄くいいですね。

この映画の伝えたいメッセージは恐らく

「暗示の力は強力だ」に尽きるだろう。
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