takanoひねもすのたり

大いなる沈黙へ ーグランド・シャルトルーズ修道院のtakanoひねもすのたりのレビュー・感想・評価

3.9
大分前に観たやつ、情報補完に本を読んだりしてたら毎度のごとく放置
鑑賞日からえらく月日が経過してた😅

仏、アルプスの麓にある男子修道院・グランド シャルトリューズに住むカルトジオ会の修道士たちの日常生活を映したドキュメンタリー

清貧と沈黙(修道士同士の会話は週に1回のみ)故にこのドキュメンタリーにはナレーションや劇伴はなく、ただひたすら鐘の音、食器の鳴らす音、水音、風音、鳥の声、生活音と自然音それだけのみが流れる

ランニングタイムは3時間弱という長尺ながら、何故かじっと見入ってしまったのは、隔絶された、時代から取り残されたような、浮世離れしている光景だからか、または私にキリスト教の下地がないためリアルな肌触りが遠く、修道士達の暮らしや建物にフィクションのようなものを見ているせいか


「主よ、あなたは私を誘惑し、私は身を委ねました」
この一文を理解するために、少しキリスト教関係の本を再読したり新たに読んだり
信仰に生きるということを考えてみたりしたが、私には遠く、その心持ちを想像することも難しい

盲目の修道士が語る"信仰に生きるということ"の言葉がとても遠い、理解は出来るが納得はできない、感覚としてよく分からない
だけど信仰で満たされるということは、こういう心持ちで在ることをいうのだろうかとも思う

『何故死を怖れる?むしろ幸せだよ、死は誰にでも訪れるものだ
神に近づけば近づくほど幸せになるのだ
死は命の終わりだ
神により早く近づけばより幸せになるのだ
神により近いのだからね
死を怖れるべきではない、むしろ逆だよ
父に再会するのだから大きな悦びだ
過去と現在は人にしかない
神に過去はない、現在だけだ
神には我々の人生がすべて見えている
神は限りなく壱阡なので、常に我々の幸せを見てくださる
だから何が起ころうと何も心配しなくていい』