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アクトレス 女たちの舞台の708のネタバレレビュー・内容・結末

アクトレス 女たちの舞台(2014年製作の映画)
3.8

このレビューはネタバレを含みます

避けては通れぬ女優の世代交代。

女優って若い頃は主役でやっていても、後から出てくる若い女優といつしか世代交代しないといけないときがやって来ます。キャスティング的な交代はできたとしても、気持ち的な交代ってなかなか難しいかもしれません。いつまでも若さや周りのチヤホヤにしがみついていたいという気持ち。

大女優マリアは18歳で「マローヤのヘビ」という、中年の上司ヘレナを翻弄する若きシグリット役で一躍有名になりましたが、40歳になった今、同作のリメイクで翻弄される側のヘレナ役を演じることに。シグリット役はハリウッドで有名な若手女優のジョアン・エリス。やはり、シグリット=自分という思いが強いせいで、リメイクのオファーを受け入れ切れず。練習の途中でも何度も葛藤。最初はジョアンに対して偏見を持っていたものの、見事におだて上手なジョアンに乗せられて、ヘレナ役に取り組むことに。

ラストでシグリット役を演じたことがある者として、マリアはジョアンにアドヴァイスをするものの、バッサリと切り捨てるジョアン。ごもっともな感じにも思えて。

若い女優は多少芝居が下手で荒くとも、円熟した女優や俳優に支えられて成り立っているもの。ジョアンはそこもわかってるんだと思いました。いろいろ波乱に満ちて苦渋な経験も多いからこそ、ジョアンはそういう部分もわかってるのかもね。マリアよりも上手(うわて)に思えました。

それにしても、女優を演じるジュリエット・ビノシュが興味深かったです。この役はビノシュへの当て書きでしょうか。それくらい、しっくりと来てました。それと、クロエ・グレース・モレッツの若くてお騒がせな女優も見事。そして、何よりクリステン・スチュワート。こんな距離感のマネージャー、理想的じゃない?
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