ぺここ

カニバルのぺここのレビュー・感想・評価

カニバル(2013年製作の映画)
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食人という題材に似合わぬ静かでしっとりした作品。
解体シーンや殺人シーンも控えめなのでホラー的なものを期待しない方がいいかも。
そういった特殊なシチュエーションじゃなくても孤独な男女の恋愛物としてじゅうぶん成立しそうです。

仕立屋の主人公の所作がとにかく丁寧で繊細、とても連続殺人犯にして食人鬼とは思えない物静かな風情なんですよね。
レクター博士がその行為を楽しんでいるように見える変態性の持ち主なのに対して、カルロスは楽しんでいるのかどうかもわからず、また女の肉以外の物が食物として受け付けるかどうなのかさえ不明、来歴も描かれていないので謎の多い人物です。

そんな謎めいていて感情表現がほとんどないカルロスがニーナと出会い、少しずつ気持ちが表に出ていくところなんて、胸キュンで悪くないです。
カルロスの性癖が性癖だけに禁断的すぎて最後まで目が離せませんでした。

好みが分かれる作品ですが、かなり好き。
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