フェミ研ゼミ

アメリカン・スナイパーのフェミ研ゼミのレビュー・感想・評価

アメリカン・スナイパー(2014年製作の映画)
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「ぼくのお父さんは桃太郎というやつに殺されました」
というコピーを思い出してしまった。

カイルは戦地で敵とされる人々を160人射殺した。戦地で伝説的な英雄となった。
戦争で心に傷を負ったものの帰還後し以前の生活を取り戻しつつあった。
そんな彼の物語の結末は墓場だった。
彼の最後は戦地ではなく、母国だった。
殺した相手は敵国の民ではなく、母国の民でしかも同じ退役兵だった。
エンドロールで沢山の人々がそれはそれは沢山の人々が彼の遺体を運ぶ車の脇には彼のために星条旗を掲げていた。そんな人々が溢れてまるでパレード。

そんな映像で終わったあと、「桃太郎というやつ」のコピーを思い出してしまった。

彼が戦地で殺した人々、帰還後を彼を殺した退役兵、その退役兵の精神を蝕んだ戦争。

悪いのは一体誰。


それしか言えないのです。
でも誰も悪いけど誰も悪くない。
ただ沢山の人々が悲しんでいる。

英雄とか敵とか立場を変えれば逆転してしまう。誰かが死んだとき立場を変えてみても変わらない。死んでしまった誰かの家族や仲間も、殺した誰か自身も辛い。

だから、なんで。

戦争はなんの答えもくれないな。
戦争の与えてくれるものって一体何でしょうか。

わたしは知りません。
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