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私の少女のzhenli13のレビュー・感想・評価

私の少女(2014年製作の映画)
3.2
以前から観たかったんだけど子どもへの暴力シーンはつらい。児童虐待をフィクションの題材とすることの危うさも感じなくはない。ぺ・ドゥナが女であることの障害を二重にも三重にも体現する役でこれまたつらい。すべてを男がジャッジする。不法就労者への処遇も加えて言えば、すべて自国民の男性に決定権がある。技能実習生のこと考えたら日本も全く同じ。田舎の人たちがいかにも田舎田舎した下卑た感じで描写されてて男はみんなクズで、カラオケ歓迎会のシーンみてるとオバハンたちはもはや女性器を持った名誉男性と成り果てるしかなかった感じがひしひしと伝わる。フェミニズム映画といえるが、先にも挙げたように今日び児童虐待をフィクションの題材とすること、当事者(児童)が演じざるを得ないことの危険性みたいなものが、どうしても心配になってしまう。キム・セロンは手慣れた子役出身という風情で、ともすればサイコスリラーに転べてしまうかもしれないところにもまた虐待をエンターテイメントとして扱う危険性を感じる。下卑た田舎の人たちに対してぺ・ドゥナとキム・セロンのなんと伸びやかで美しいことよ。その非現実性、なによりラストで、うん。ファンタジーだね。と思ってしまったところはある。映画の虚構としてはどうなのか。エンドロールの曲が好かった。
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