くりふ

ラブストーリーズ コナーの涙のくりふのレビュー・感想・評価

3.0
【他人の恋路/男目線】

アマプラ見放題にて。二本立て構成と知り、見てみた。正確には、二本を再編集して一本にした版もあるそうな。ある夫婦の亀裂を、夫と妻、それぞれの視点で眺め直したもの。

もう10年前の映画なのね。公開当時は多分、興味がわかず素通りしたのだとおもう。

夫婦に扮したジェームズ・マカヴォイとジェシカ・チャステインは、いい仕事をしてます。ジェームズは真っ直ぐキャラまんま、ジェシカは後に増える強面キャラからすると、病的に寄せた風だが、とりあえずこの二人は見ていて飽きない。

また、ジェームズ父のキアラン・ハインズ、ジェシカの先生ヴィオラ・デイヴィスが、脇からよき滋味を醸していた。演技と演出は全般、的確だと思いました。

でもベースの物語が薄味で、噛んでも沁みてこないです。これだと他人事だなあと。あさがおAとあさがおBの観察日記をそれぞれ読まされた風で、個体の違いで微妙に違うが、結局はおんなじように育つよなあ、それで?みたいな。

この原題ならいっそ、ビートルズあの曲のエリナ・リグビーをそのまま、ジェシカが演じた方がオモロかったんじゃ?とも思ったが、そう感じる人は今では、少ないのでしょうね。

要らしき、亀裂のトリガーとなった事件が見えては来るものの、そういうことで決裂させず未来を目指す夫婦だって、現実にはたくさんいるわけじゃん。観察するなら、何故?を解剖するまでこの夫婦を追ってほしいもの。

そもそもこの二人の間に、夫婦の絆を感じられなかったのだが。それがなければくっついたり離れたりを繰り返すのは、当然ちゃー当然でしょう。

一番萎えたのはラスト。一方が一方に対し、ある行動を起こすが、何故そうしたかは描かない。これだと何でもあり。途中で何が起ころうが、最後にこのシーン入れとけば成立してしまうので、作劇テキトーだなあと。

因みに、間健二さんは出てきません。←空耳ギャグ

↓以下、男編の個別感想。

はじめに男編から見ましたが、男は女心がわからず振り回され、女は被害者っぽく見える…という紋切型から抜けていないように思いました。

女編を見た後から振り返ると、少々味わいが変わりますが、心揺さぶられるほどじゃない。

女がミステリアスに見えてしまうのが紋切型だが、それは女の側にも非があるよね。

<2023.6.25記>
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