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ラブストーリーズ コナーの涙のncccoのレビュー・感想・評価

3.5
これ、好きです。「冷静と情熱のあいだ」のアメリカ版でしょ、、と思っていたけど、あちらが完全にファンタジーなのに対しこっちはめちゃリアル。あるある話が詰まってて身につまされるシーンがいっぱいあった。いつまでも満たされない腐れ縁という観点では、「わたしはロランス」が似てるかな。

順番はHIM→HERで観て正解。多分、HERから観たらストーリー分けわからなくなる。全体の感想で言うと、勿論オンナ目線でエリナーの方が理解できるし納得できる。けど、映画としてはコナーの方が面白かったような。それは、マカヴォイの演技力というのも勿論あるけど、カメラワークの違いも大きいと思う。
HIMの方では、主人公へのクローズアップが多いのに対し、HERでは同じシーンでも引いて遠くから客観的に写してみる。結果、主人公への感情移入はコナーの方が持ちやすい。
男が冷静、女は感情的というけれど、この映画だけ観たら直情的というか、その場その場への瞬間の感情の持ち方や捉え方は男の方が強いのかもと思った。オンナは、もうちょっと寝かすというか、後からじわじわ考えて馴染ませないとダメなのかなと。。それをセリフや表情だけでなく、カメラでも見せるという手法が、新しいな~と。
HIMではエリナーが、HERではコナーが美化されてたのが印象的。自分が伝えたはずの自分と、相手に伝わる自分ってこんなにズレてるんだな~。
男女のズレを象徴的に表す車のデートシーン。コナーのあのセリフは、無いわー!興ざめよ!!エリナー編でエリナーがあのドライブに込めた想いを知ってからは、尚更切なくて。
期待が裏切られて、すれ違ってボロボロな別れ、あるある。。あのシーンは、実体験も思い出して泣いちゃいました笑

愛してれば愛してるほど求めるものが大きくなってしまうからズレも大きくなり、いつまでも溝は埋まらない。でも、いつまでも埋まらないからいつまでも理想の相手として好きでいられるし、求めたくなってしまう。何でお互いに好きなのに、好きになるほど上手くいかないのかな?
愛って、苦しいなぁ。。泣

ストーリー以外では、ファッションも見どころのひとつ!エリナーのブラ?見せファッションもクールだし、教授の原色ファッションもナイス。極めつけはお母さんがイザベル・ユペール!HIMがベタなアメリカン・ガイなのに対し、HERはオシャレなパリジャン。違いがあるから、より強く惹かれ合うのかな。
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