佐藤でした

約束の地の佐藤でしたのレビュー・感想・評価

約束の地(2014年製作の映画)
3.5
1882年、デンマーク人のディネセン大尉は、溺愛する一人娘インゲボルグを連れてパタゴニアにやって来た。彼はアルゼンチン政府軍による先住民を一掃する作戦に参加していた。そんなある日、インゲボルグが野営地から忽然と姿を消し…。

角が丸いスタンダードサイズの画面が新鮮。いつも見ているものより狭くて窮屈で、なにかの隙間から覗き見ているような感覚に陥る。鑑賞というより干渉という感じ。

でもそこには、水と、草木と、岩肌と、それを覆う青空が、この世のものとは思えない眺望でどこまでも広がっている。シネスコサイズで全景を目一杯取り込みたくなる絶景なのに、黒い角丸フレームをはめ込まれ、ぐっと抑え込まれる。
娘の失踪から不安で不安でたまらない父親の心境をこちらに強要するためのエフェクトだとしたら、素晴らしい効能だったと思う。

映らないけど聞こえてくるヤギか羊かカモメかの鳴き声、うめき声。大きな水たまりに浸かる野良犬の違和。突如鳴る銃声。

もう、ヴィゴ・モーテンセンの美意識の高さに酔いしれるばかり。藻が生えた池の水鏡をじっと睨んで顔を洗うワンシーンなど、目に焼き付けておきたい画が多々あった。

一方でストーリーは…、難解というか難というか何というか…いまいち伝えたいメッセージがわからなかったのだけど…

しかしまあ
どれほどのロケハンをされたのでしょう!
何度、晴れ待ち、朝焼け待ち、夕焼け待ち、犬待ちをされたのでしょう!
その風景だけで一見の価値あり!

ヴィゴ様の詩情に触れよ!
ふんがっ
(ってムキになることもないんだけど)


※追記…撮影はアキ・カウリスマキ作品を手がけるフィンランドの方だそうで!なんかなるほど!