光源と闇。その対比がいちいち美しくて、荒廃した町並みには廃墟好きの血が騒ぐ…。
映像は文句なしに大好きすぎた。
ファンタジックに描かれるある街の末路と都市伝説的背景の組み合わせはなかなか興味深い作用を持つものの、その鮮烈すぎる映像美の副作用か、反比例的にストーリーに対する期待の伸び代がぶつぶつとすり減っていってしまう感は否めず。
うん、すごくセンスの良い映像をみてるのはわかるけど、もっと話でわくわくさせてほしいなぁとか、贅沢な注文を言いたくもなってしまうわけです。
でも、イマジネーションが満たされる映画であることは確か。物語の着想は実際にある廃れてしまったある街が元になっているようで、栄枯盛衰の常のなかで、それでも運命に抗い生きていこうとする人々の姿には、微熱ような、闇の中の小さなかがり火のような光と熱を感じてしまいます。