ヴレア

あなたがいてこそのヴレアのレビュー・感想・評価

あなたがいてこそ(2010年製作の映画)
4.0
ジャケ写だけ見るとラブストーリーかな?と思ってしまいますが、そこはラージャマウリ監督。予想を裏切る展開の連続と言いますか、独創性溢れるアイデアの数々に驚く事請け合いだった。

まずは、自転車が喋る。
何だそれ?と思うかもしれませんが、主人公が長年愛用していた自転車が遂に意思を持って話しかけて来るんですね。でも持ち主にはその声は聞こえていない。あくまでファンタジーとしての味付けだ。

そして、物語のメインとなるのはある屋敷に入った主人公が出れなくなるという恐怖。
空港から出られない男を描いた「ターミナル」という映画があったが、本作は屋敷から出られない男の話だ。
屋敷の敷居が重要でして、それを跨ぐと大変な事になってしまうというシチュエーションコメディでありサスペンスでもある展開。その特殊な状況をどう打開するかが焦点となっていて常に気が抜けない。
前半が終わり、休憩かと思いきや"劇場の敷居を跨ぐな"には笑った。

かと思えば、それと並行してラブロマンスまで展開するというのだから凄い。あらゆるジャンルを詰め込みまくっている。
途中電車内でのコミカルなシーンも最高に面白いし、ダンスも多いので飽きさせない。
アクションシーンは少な目ですが、終始観客を物語に引き込む力というものを感じられて、流石ラージャマウリ監督だなぁと感心させられた。
ヴレア

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