2008年12月に韓国で起きた、8歳の少女が男に誘拐、性暴行され、膣と肛門の80%を失ったという、実際の強姦致傷事件(ナヨン事件)を基にした作品。
ぬー。辛い。遣る瀬無い。
ある雨の日、8才の少女ソウォン(イ・レ)は通学途中に出会った酒に酔った男に暴行を受け、人工肛門の処置を受けなければならない程の重傷を負う。変わり果てた娘の姿を目の当たりにした父(ソル・ギョング)と母(オム・ジウォン)もまた、絶望のどん底に叩き落とされてしまう—— 。
学校まであと100mの所だったのに。
雨の中、目の前に立っていた男。
その時、その場所に
8歳の少女を護るべき者は
誰もいなかった。
辛くて辛くて堪らない。
当事者だったとしたら、
この怒りと憎しみと哀しみに打ち克てるのだろうか。
「大通りを行きなさい」
自分の言いつけを守ったばかりに娘は男と出会ってしまった。その日、学校まで送る事も出来た筈。母の後悔の念は尽きない。
「殺人者の記憶法」のソル・ギョングの好演も光る。ソウォンに避けられるようになってしまった父親が、キャラクターの着ぐるみに入って遠くで見守る姿に思わず涙。それをパパだと見抜いたソウォンにも泣かされた。
本人だけではなく、家族全員で辛い局面を乗り越えようとする。
しかし、無慈悲な判決内容に唖然とさせられる。
以下、ネタバレを含みます。
韓国で最高刑である無期懲役を求刑され、男は前科17犯かつ強姦致傷罪の前歴があるにも関わらず、泥酔状態だったとして酒酔減軽による情状酌量で懲役12年の判決が確定。
劇中でも声高に叫ばれていたが、飲酒運転には厳罰を下すのに、何故これ程の蛮行を許すのか。
12年…少女が20歳になる頃である。
刑期満了の頃には、被害者への接近と飲酒禁止、児童施設立ち入り禁止、外出制限等の遵守事項適用、居住地半径1kmの監視カメラ増設等の条件が課せられたみたいだけど。
これは…やり切れないでしょうよ。
それにしても韓国の子役ちゃん達の演技のレベルの高さに毎度驚かされる。
ソウォンを演じたイ・レちゃんの迫真の演技に何度も泣かされた。