1977年〜1984年の7年間バンド活動をしたイギリスのパンクバンドのドキュメンタリー。
上中流階級の育ちのペニー・リンボーが所有する「ダイヤルハウス」にそれぞれメンバーが暮らす。
いわゆるパンクとはまた少し違って自給自足で暮らしていた。
現在も変わらず「ダイヤルハウス」で来るもの拒まずで暮らすペニー。
過去の映像、写真などを流しながら各メンバーにインタビューされる。
ペニーの他にもスティーヴ・イグノラント(Vo)、アートワークのジー・ファウチャー、イヴ・リヴァティーンなどのインタビューも盛り込まれている。
ジーのアートがとてもカッコよかった。
芸術家が揃うメンバー、当時のThe Clash、Sex Pistolsとは全然違っていた。
社会に対するメッセージも強烈だった。
反戦、反核、反物資主義などを主張し過激な行動をする訳ではなく音楽でその意思を表現した。
それは当時のパンクバンドへの思いも同じだった。
演奏が上手なわけでもない、歌が上手いわけでもない。
とにかく強烈な歌詞を歌いまくる。
“パンクは死んだ
安っぽい商品になっちまった
大物プロデューサーが仕掛ける幼稚なロック
CBSは金儲けのためクラッシュを売る
パンクはヒッピーのようにファッションになった
ムーブメントはシステムの民意とやらの表れ
パンクはムーブメントになりお偉方に利用された
セックス・ピストルズのスティーヴ・ジョーンズは害をまき散らす
システムに利用されながら革命、無秩序と変化を説く”
解散となった理由を話すペニー。
メンバー同士の考えにズレが生じてきたと言う。
音楽に関する事と言うより平和的活動、治安や宗教、物質主義に対する考えなど。
ペニーは言う
「”豊かな生活の一部だ”、私には全く理解できないけどね。」
「豊かにすべきは生活ではなく人生だろう?」
「誰かに媚を売って生きるのはごめんだ」
年を重ねた今もパンクだった。
アレクサンダー・エイ監督作品