のんchan

オマールの壁ののんchanのレビュー・感想・評価

オマールの壁(2013年製作の映画)
4.1
ずっと📎したまま温め過ぎて溶けそうだったので、キツイのを承知で鑑賞‼️
ハニ・アブ・アサド監督作品は『歌声にのった少年』を以前観ていて、とてもピュアな作品だったのを思い出した。
今作もピュアな部分と過酷な面を浮き彫りにしていて目が離せませんでした😮
パレスチナ🇵🇸映画侮れません‼️


パレスチナのイスラエル占領下に暮らすオマールはパン屋で働いている。コツコツ貯めたお金は恋人ナディアとの結婚費用にする為💞
本当に初心な若者たちはノートを切り取って想いをしたため、それを手の中に隠れる程に小さく折り畳んで誰にも内緒でこっそりとやり取りをしていた。しかしオマールが彼女や幼馴染に会いに行くには高い壁(ジャケ)を超えなくてはならなかった。
汚れのない若者が否応なく闘争(抵抗運動と内部抗争)に巻き込まれていくというストーリー。

オマールは幼馴染でリーダー格のタレク(ナディアの兄)たち同士とイスラエル政府軍に対抗するため射撃訓練を行なっていた。そしてある日仲間がイスラエル兵を射殺してしまう。それからはイスラエルの秘密警察から追われていた。その逃走シーンはアラブの町並みをパルクールさながらに走り抜ける、とてつもない緊張感が走ります。
イケメンの俳優ですが、身体能力も素晴らしかった❗️

オマールだけ捕まって監獄へ。そこでの警察の暴力シーンはキツイのなんの😖イスラエルの刑務所の中を初めて観たかも?オマールは捜査官からスパイとしてタレクを呼び込むよう解放されるのだが...

恋人を守るため、友を裏切らないため、支配者に抵抗するが...オマールはとてつもなく良いヤツなんです。涙なくして観れません🥲

警察沙汰事件の2年後、ナディアに会いに壁に登ろうとするオマール。しかし、あんなにスイスイ登っていた壁に何故か登れなくなるんです。それは体力が落ちたというよりも、会いたい一心の気持ちが落ちたという証?オマールは街中で泣き崩れます。
そこに通りがかった老人が優しく声掛けしてくれるんです。
『大丈夫、すべてうまく行く』😭

ナディアは母となり2人の子どもを育てている...しかし父親は?

ラストの暗転が秀逸💥




苛烈な暴力が日常的に蔓延する世の中に暮らしていると、人は暴力に支配されてしまうことを改めて思い知らされます。

何気ない普通の暮らしがどれだけ安堵に満ちている事かを日本人は気付くでしょう😔
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