グロは苦手なれど、ゾンビ映画パンデミックから 今ではもうホラーの枠を超えてゾンビ映画は1つのジャンル物になったと言って良い昨今、さすがに若干ホラー映画においてのゴア耐性がついて来た今ならイケるか!?とオッサンLet's Try!してみたワケだが、結果から言うと…
「 ほぼ大丈夫でした!」
イヤ、グロいっスよ。
ただ ゴア描写もアクション映画となれば途端に観れてしまうぐらいな感じではあるので、ぶっちゃけ銃でドーン!からのドーン!!は大丈夫でした。
それよりもシンドいのは てっこ(片瀬那奈)の歯とサンゴ(岡田義徳)の死に様です。
『ウヒ〜…』ってなりました。
(苦手な描写も人それぞれ)
…と、まぁそんな細かい事はさておきw
原作は途中まで読んでます。
言い換えます。
途中でヤメてます。
ナンか最後はわりと謎とか投げっぱなしジャーマンスープレックスな〆かたで終わってるらしいですな。
映画じゃそうは行かない。
(ってか1本では全部描けるワケがないですがw)
という事で原作途中までの映画化ですが…
『しっかりと面白いじゃないか!』と。
序盤(というより前半と言っても良い)のどんどん日常が壊れていく見せ方はこのテの作品の中においても充分 上位に位置する演出。
テンション上がる上がる!
映画ならではの魅せる演出としてタクシーのパートは見事な改変(追加と言った方が良いかな)。
ホントに冒頭の日常演出は必要最低限な量なので、実質『いきなりクライマックス!』みたいなモンですよ!
…まぁそこから中盤のテンポは若干落ちるんだけどねw
ただソレも
「イライラする!南、ナンか、イライラするっ!!(©︎いとうあ◯こ)」
って程じゃねぇです。
その中盤、ゾンビ映画で コレもある意味重要な人間ドラマパート。
漫画原作アリの映画として、演出のバランスを色々と考えて作ってたと思う。
まぁ英雄(大泉洋)と比呂美(有村架純)のパートは長い印象だが、モールのパートはかなり頑張ったかと。
比呂美の活躍に関する事(ココは賛否割れるのも分かる)も含めてキャラクターの描き方は薄味な感じではあるし 変わってる部分も当然の様にあるのだけど、映画として2時間に収める/あのクライマックスに持っていくには丁度良い塩梅とワシは思った。
何よりコレ、英雄の話だからな。
そして!!
(ってかコレが言いたいw)
日本ならではの設定が生きる
《銃の扱い》
コレは見事!
(まぁコレは原作自体がそうなんだけど)
他の国のゾンビ映画じゃアレでカタルシスは描けない。
むしろあの銃じゃ死亡フラグですよw
でも日本じゃ最強クラスの武器なワケで。
だからこその"満を辞して"なワケで。
史上最高にカッコ良い『あ〜い。』を聴ける映画なんですよ!
大体 映画でクレー射撃のシーンなんて ほとんど悪役のボスクラスが道楽でやってるのが定石ですし、有名な役者が演じると やたらとカッコつけて声出すパターンばかり。
本来クレー射撃は構えて集中してるからブレが出ない様に落ち着いた感じで射出O.K.の合図を発するモンです。
つまり、基本そんなカッコつけて叫ぶモンじゃないんです。
だから『あ〜い。』なんです。
その『あ〜い。』がハイパーカッコイイとか、過去にこんな映画ねぇですから!!
ソコから始まるクライマックスのボルテージは見事な"ほぼ"右肩上がり。
進むに連れて実はしっかり銃の扱いに慣れているゆえの廃莢(はいきょう)→装填の描写をコレまた徐々にカッコ良く映す辺りも お見事!!
(ラスト前に一瞬落ち着いてからアイツが出て来るけど更にしっかりとアゲるので無問題)
【いぬやしき】もクライマックスがこんなアガり方してくれてたらあの映画 完璧だったなぁ…
…すみません。話が逸れましたw
エンタメ映画的には中盤少々スローテンポな感じだけど、概ね(おおむね)文句ナシ!
1本の映画として良く収めたと思うんですよ。
原作の途中までではあるけど、ゾンビ映画としてはあの〆かたで何の問題もなく、やろうと思えば続きも作れるだろうし コレで終わっても全然構わない。
非常に良い物を魅せてもらった気分ですな。
TV局が絡まず映画会社でやってるからこそやれる限りの事をやったというのも非常に好印象。
有名なファンタスティック映画祭の賞をもらえた(結果を出せた)事にも賛辞を贈りたい。
やれば日本もココまで出来ると示せたのだから、ココから更にこんなエンタメ映画が続けば良いなぁ〜と願う次第。
(全ての作品にココまでやれとは言わんけど)
やっぱり佐藤信介は腕あるよ、うん。