Aya

ブック・オブ・ライフ ~マノロの数奇な冒険~のAyaのレビュー・感想・評価

4.0
劇場ではかからなかった作品なんですね。

日本では新千歳空港国際アニメーション映画祭の無料上映のみで、2015年末にDVDスルー。

こんなに素敵な作品なのに!!

何が素晴らしいって劇中披露されるカバー選曲の置き場といいオリジナル曲の素晴らしい出来といい、20分という驚異的な長さのエンドロールでさえ、曲の力で見せられる、最高のミュージカル映画でした。

一応デルトロのPDなので、メキシコ系の制作陣で作られたのかな?

声だってチャニング・テイタム(どちらかというと悪役)とゾーイ・ソルダノだよ?!

話はアメリカのええとこの学校(制服)の落ちこぼれ5人組の社会見学から始まります。

普通の博物館では物足りなさそうな彼らを特別なミュージアムに案内してくれるという女性ガイド。

そこにはメキシコの死者のお祭りディア・デ・ロス・ムエルトス(英語でDAY OF THE DAY。最近だと「007 スペクター」の冒頭のシーンですね。11/1は子供の魂、11/2は大人の魂の日)を題材にした展示が。

そして実在した登場人物たちの「生命の書」のお話を聞かせてくれます。
その本にはメキシコが世界の中心!とされており、少女マリアと腕っ節自慢のホアキン、音楽大好きのマノロの三角関係が。

将来どちらが、彼女のハートを射止めることができるか?と、死後の世界の支配者であるシバルバとラ・ムエルテが賭けをします。
(なんとモデルはディエゴ・リベラとフリーダ・カーロ!!)

月日は流れ、知性も剣術も兼ね備えた美しい女性に成長したマリア。
マノロは音楽が大好きだけど、代々闘牛士の家系。父の意志を継いで闘牛士になるものの、牛を殺すことができない。
ホアキンは幾多の戦場で大活躍しムキムキマッチョの男らしい街の英雄。

2人はそれぞれのウリでプロポーズするが、ひょんなことからマリアが死んだと思いこんだマノロは悲しみに暮れ、それでも一緒にいたい!と答えたが為、蛇に噛まれて死後の「思い出の国」へ。

しかし、実はイカサマでマリアが生きていると知ったマノロは、なんとか復活を図る為に「忘れ人の国」へ。

死後の世界で出会えた先立たれた母と祖父の力をかりてマノロは立ち向かう!
そこは自分のことを覚えていてくれる誰かがいる限り、生き返るチャンスはある。というところ。

「忘れ人の国」に行くには「魂の洞窟」を通らなくてはならない。

そこを越えたものはいない、という危険なところ。
入り口では石の怪物が立ちはだかり、迷路を抜けると・・・。

メキシコ人の生死観、死後の世界観が独特なのはご存知の通り。
それにマリアッチがふんだんに盛り込まれ、2本の剣とギターを背負ったマノロが奏でる曲が最高!

コールドプレイの「creep」やエルビスの「Can't Help Falling in Love」はもちろん、オリジナル曲「I Love You Too Much」「No Matter Where You Are」等々ほんと名曲揃い&適材適所。

ここが私は一番の魅力だと思ってて。
サントラ即買いだよ!!
DVDもミュージックボックスと称してそれぞれの場面ごとの曲が入っていて、特典てんこ盛り!

そしてラストは新たな敵と対峙する。

その時には「思い出の国」で出会った色々な人が一致団結して戦ったり、キャラクターが設定から使い方から活きてるのも細やかだし、自称「控えめだけどハンサムなキャンドルメーカー」がICE CUBEですよw
可愛いキャラなんだよ!

ライバルのホアキンもずっこい隠し玉を持ってはいたものの、いざという時は仲間を思いやる気持ちはきちんとあって。
マリアを手に入れる為だけの奴じゃないから愛せる★

所々、現実世界の5人の子供達から「メキシコ人やばすぎる」などのツッコミが入るのも面白い。

本の中のお話が主ですが、時折差し込まれる現実世界のおかげで、話が整理されているのも◯。
でもかなりたくさんの要素や登場人物が入り組んでいるので、一回見ただけでは全てを理解できない、というよりか一回だけしか見ないなんて寂しいw

結局、マリアを手にするのはどちらか?!
賭けはどっちが勝つのか?!

あの人だかりがハート型だったり、メキシコが、あの形、になるラストも茶目っ気たっぷりで好き。

愛が重要な部分を占めているアニメなので、若干大人向けかもね?

昨今のディズニールネッサンスによく似た男(王子様)の力を借りずとも強いヒロイン!が流行りなのかしら??
ヒーローはヘタレだけど動物に優しい、とかとてもイマドキ映画です。

後、なんか、メキシコの話なのにここぞ!って時にハリウッドキスが満載w
Aya

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