【街角の音楽】
ジョン・カーニー監督×マーク・ラファロ×キーラ・ナイトレイのミュージック映画。
〈あらすじ〉
恋人の裏切りに遭い、傷心のままバーで歌う女性シンガーのグレタ（キーラ・ナイトレイ）だったが、そこに居合わせた落ち目の音楽プロディーサーのダン（マーク・ラファロ）はその才能を絶賛し、アルバムを制作しようと説得する。そしてお金もコネクションもない彼は、驚きのレコーディング方法を思いつく…
〈所感〉
とにかく音楽が素晴らしい作品。ジョン・カーニー監督のことは知らなかったが、街の切り取り方、人物の描き方、そして音楽のバランスが良くて楽しむことができた。ただ、ニューヨークという華やかな舞台なので、主人公のシンガーとしてのドン底ぶりは全く感じない。結局グレタは本当の地獄を見た事がないので、特にカタルシスが得られるわけでもない。でもこの映画の良さは恋愛も仕事も単なるサクセスストーリーに終わらず、こういう成功の仕方もあるんだよと人生のオプションを提示している点にあると思う。あなたが頑張っていればその才能に気づいて発掘してくれる人が必ずいる。そういう得難い幸せに気付くためのお話だった。最初のホームから飛び降りようとする曲がとても胸を打ち、惹き付けられた。マーク・ラファロのいい親父ぶり、キーラ・ナイトレイのヤンデレ彼女ぶりが良かった。
