くりふ

エンド・オブ・ザ・アースのくりふのレビュー・感想・評価

エンド・オブ・ザ・アース(2013年製作の映画)
4.0
【世にもキュートな救世主】

アマプラで見つけ、得体の知れぬ未公開作なので評判調べたら、えれえ嫌われとる(笑)。

…ので当たり屋してみた。

…ら、ナンだ、オモロイじゃん!

この生臭い黒さ、意外とツボりました。アナケンが居なかったら、ほとんど生ゴミかもしれないけどね。

邦題、ザじゃなくジだと思うんだが?原題が『RAPTURE-PALOOZA』で、“RAPTURE”がキリスト教終末論の携挙で、そこに乱痴気騒ぎという意の“PALOOZA”をくっつけたらしい。その通りの内容でした。

敬虔な信者は天に召されて、地上に残ったカス(笑)が、天変地異や、地上を支配するサタン…下劣な黒人男なんだけど…に散々、いやな目に遭わされているって設定。

で、ヒロインがサタンに目をつけられたもんで、女を守るために戦わなきゃいけなくなる。

ちゃんと聖書の通り、死者も蘇ってくる。つまり、ゾンビね(爆笑)。

徹底してお下劣お下品に、キリスト教をおちょくっている。ここまでやればむしろ爽快!で、実際に起こったらこんなもんかもしれんなあ、て妙なリアリティがある。欲こそすべて。今もそうなりつつあるけど。本作を創っている側は、意外と知能犯だと思った。

掃き溜めに鶴なのが、アナ・ケンドリック。もしや、見た中で一番、魅力的に映っているかも。サイテーの世界でも狂わず、自分を失わず、でもキレる時は徹底的にキレる。終盤の決闘は、もう拍手もんでした。

そして神と悪魔は最後に、どうなったか?コレ、本気で解放感、ありました。実際このように、偶像の行く末を見せたら皆、妄信をやめるかもしれない。そうすれば宗教戦争だってなくなるのに…。

まあ何にせよ、かわいいからセクシーまで取り揃えたアナに見惚れるだけでも、得した気分になれるトホホ作品でございました。


<2021.10.17記>
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