ユート

ザ・ウォークのユートのレビュー・感想・評価

ザ・ウォーク(2015年製作の映画)
3.5
ワールドトレードセンターでの綱渡りによって一躍有名人となった大道芸人、フィリップ・プティの伝記的映画。



ゴードン・レヴィットの新作かつ伝記物ということでかなり楽しみにしていた作品。
伝記映画っていいですよね。世の中いつまでたっても面白い人で溢れてる。

鑑賞してみるとゴードン・レヴィット演じるフィリップがこちらに話しかけてくるような語りから始まるメタ的な要素が強い作品だった。
これはちょっと想定外。
伝記でこれやっちゃうと作り物感がしてきちゃうんだよなーと。
それは許容範囲として、フィリップのクーデターに賛同し次々と集まってくる仲間たちや準備の過程が結構面白い。バッジ・デールもでてたし。
ワールドトレードセンターを一目見た時から取り憑かれたかのようにクーデターを計画するフィリップさん、素敵だな。
普通に考えるとただただ迷惑な奴なんだけど、あんな情熱の塊を見せつけられると、自然と手伝いたくなる気持ちわかるわ。


そして迎える見せ場のシーン。
一歩踏み出す瞬間は確かに手に汗握った!
がしかし、空撮のシーン!
フルCGで撮ったでしょ!ゼメキス!
完全に『ベオウルフ』や『ポーラー・エクスプレス』のタッチだったわ。
この瞬間から"これは作り物"ということが頭の中にインプットされてしまい、以降のシーンはほとんどドキドキすることができなかった。
せっかくゴードン・レヴィットが綱渡りを猛特訓したんだから、そこはブルースクリーンからクロマキー編集でしょ。
ぶち壊しだよ。

ドキドキはできなかったんだけど、芸術って意味で言ったら凄まじく神秘的だったなー。
水の上を波一つ立てずに歩いているかの職人芸。
むしろハラハラドキドキ通り越して職人芸として観れた方が正解なのかも。


もしワールドトレードセンターが残っていたのなら、フィリップのサインをこの目で見たかったな。


スラックラインがやりたくなった今日この頃。
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