Marie

ザ・ウォークのMarieのレビュー・感想・評価

ザ・ウォーク(2015年製作の映画)
3.6
何かに魅せられてしまったら、もう止まることはできない。主人公のフィリップ・プティは綱渡りに魅せられた。だから、綱渡りは生きること=人生っていう事になる。
彼が夏の朝日を浴びてタワーの間を歩いている時、見ている私も、なんだかわからない解放感を感じた。一緒に渡っている気分になる。幅2〜3センチのワイヤーという限られた上にいるのに、自由を感じるなんて、不思議なものだ。

もう一つ感じたことは、この映画には別の主人公がいるということ。それはワールドトレードセンターそのものだ。
誰も真似できない綱渡りは、誰も傷つけない美しい犯罪だった。ワールドトレードセンターは、そんなふうに始まったというのに…。ラストの映像を観ながら、大切なものを失った気分になりさみしくなった。
とは言え、この映画はいい映画だと思う。
Marie

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