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アイ・オリジンズのJTのレビュー・感想・評価

アイ・オリジンズ(2014年製作の映画)
5.0
その瞳に導かれて
すべてを知っているその瞳に
すべてのはじまりのその瞳に

2019 . 58 -『I Origins』

"瞳"を研究する学生イアンは科学主義で「神」や「宗教」などのスピリチュアル的な類のものを信じていなかった
そんな彼の前に科学で説明のつかないことが起こる
それは偶然か?運命か?それとも...

この映画は人間の瞳に焦点を当てた
私たちはみんなそれぞれ固有の瞳を持つ
見たモノを脳で認識して記憶する
すなわち目と脳は繋がっている
ではもしこの世界に全く同じ瞳を持つ人がいて
目の細胞構造が受け継がれているなら
記憶も受け継がれている可能性があるのではないか
今作は前世や運命の"人知を超えた何かの存在"を訴えかけて瞳や人間の起源に迫った作品だ

今思えば瞳が持つ力ってすごい
覗き込んでみると沢山の感情を宿しており
涙で悲しみや喜びの感動を表現したり
相手を睨んで怒りを表すこともできて
言葉にしなくても感情を伝えることができる
なにより言葉では伝えきれない内に秘めた気持ちを
ただ見つめ合うだけでその想いを通わせられる
"瞳は魂の窓のようなもの"なのだ

人知を超えるものの存在
自分は特に信仰を持たないし前世も信じていなければ神の存在についても否定的だった
ただ"目に見えない何かの存在"は信じている
霊的なのか感覚的なものなのかはわからないが
運命のような科学で説明のつかない"力"を信じたい
死んだらどこへいくか誰にもわからないのに
誰もが死を恐れるようなその感覚的な恐怖は
信仰や運命と同じ人知を超えたものだ
生命の誕生から死に至るまで
人間は人知を超えた力によって誕生して始まり
理解の及ばない死と言う終わりに向かって生きてる
科学で説明できることの方が圧倒的に少ない世の中なのにどうして人は否定したがるのだろう
なぜ人が誕生したかは誰にもわからないし
死後どうなるかなどもわかるはずがない
正直この先わかることはないかもしれない
何もわからずに生きて辿り着く先はみんな同じ
だから否定するのではなくただ身を委ねる
階段を一歩ずつ降りるように生き急がずに
いつか終わってしまうこの道のりを一緒に歩む
不安や恐怖、怒りと悲しみ、愛に悦び
その瞳に映る全ての輝きが閉ざされてしまうまで
前世でも来世でもあの世でもずっと導いて
JT

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