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沈黙ーサイレンスーのyaaaのレビュー・感想・評価

沈黙ーサイレンスー(2015年製作の映画)
4.5
観終わった後の心地よい疲労感と満腹に近い満足感で思わず
「はぁ~っ」と周囲に聞こえなように声とため息がでる。
面白かったという類の映画ではないが「よかった」とは言える。

ベタですけどマーティン・スコセッシが好きです。
しかしながら2000年に入ってからの監督作に違和感も感じてました。もちろんその期間に作られた映画は紛れもないスコセッシ作品であってそれなりに楽しめましたが。
自分の目的の為に周囲と戦い続けてギリギリに追い込まれた男が神にも届く勢いで「ギャーーーァ!!」叫ぶような映画、「タクシードライバー」や「レイジングブル」みたいな映画を欲してたんです。
ようやくそんな映画をリアルタイムで観れて感激です。
しかも日本が舞台。日本人しか味わえない喜びです。
製作・脚本・美術・編集のメインスタッフにスコセッシがスコセッシらしい狂暴な(わかりにくい)映画を作って頃の戦友みたいなメンバーが。
ちゃっかりロビー・ロバートソンまで。内容含めてスコセッシ純度100%ですね。

よくいえば本場リトルイタリーを舞台に街角でどつきあいみたいなものが観たいですけどこれはこれで最高。
どっちにするのかという二者択一のシンプルなドラマが時代や国を飛び越えて色んなもの想起させ静かながら雄弁な映像表現。
まさに日本庭園みたいな作品。
よくわかんないけども凄いなあと。
もっと勉強したらあれの理由もこれもルールと意味がしっかりあるんやなぁみたいな。
最大に凄いのが日本の役者さんが邦画以上にはまり役でしっくりくること。
EXILEAKIRAも絶対にカメラは寄らなかったけれども悪くなかったですよね。菅田俊さんは揺るぎない芝居でニヤリとしましたけど。

マーティン・スコセッシってデカプリオの相棒でなくて本来こうゆうことやろと再認識した映画でした。

アキラ・クロサワがゴッホ役で日本に呼んだお礼の映画なのかと意味不明の妄想も浮かびました。
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