これはアカンやつ。新ドラ映画版の中でもワーストだろう。新ドラの映画が全部ダメだったわけじゃないけど、これはなぁ。
旧ドラ頃から映画版のシナリオには破綻もちょいちょいあったけど、SF(すこし不思議)精神と、なにより、全編に満ちたあのオドロオドロしい雰囲気が好きだったから、自分は楽しめていた気がする。新ドラの各部分をちょっとずつソフィストケイトして無害にしてる感じとかは、なんとなく抵抗感ある。のび太がジャイアンに怯えてる感じも薄いし……新ドラは、しずかちゃんが可愛いのだけは変わらず素晴らしいけど、そのしずかちゃんにしても、あの場面、最初からのび太さん誘ってやれよと……元々そういうキャラだったっけ?それとも、スネ夫かジャイアンが誘ってると思ってたのかな。ま、どうでもいいや。
で、プロットは『サボテン・ブラザーズ』とか『トロピック・サンダー』なんだけど、それが生きてないんだよなぁ。映画制作がいつの間にか本当の戦争になっているというラインがあって、更にそこにごっこ遊びだった「ヒーロー」がホンモノになるってラインが重なってて、かなり複雑。案の定捌ききれてない。特にヒーローになるってとこの雑さが度し難いレベル。最後のまとめ方とかも、ほんとにさぁ……
監督ロボに喋らせなかったのだけは良かった。