みんと

アラビアの女王 愛と宿命の日々のみんとのレビュー・感想・評価

3.8
『アラビアのロレンス』の女性版。

イラクとヨルダンの国境線を引き“砂漠の女王”と呼ばれた英国女性ガートルード・ベルの半生を描いた大河ロマン。

ヘルツォーク監督はずっと気になりつつもなかなか出会えなくて、しかも毛色の違うと言う今作を初鑑賞は本意では無かったけれど、予想外に良かった。

英国の上流階級に生まれながらもその生活を捨て、政府の諜報員としてアラビア各地を巡るガートルード。20歳年下のロレンスに先駆けて現地の部族と渡り合いその中で実際に二人が出会っていたのは驚きだった。因みにピンと来なかったロレンス役はロバート・パティンソン。

強く気高く美しく…
まさにハマり役のニコール・キッドマン。
待ち受ける様々な試練を知性と胆力で乗り越える姿が男前だった。一方女性としての幸せの意味では、望んでも叶わない2度の悲恋が痛々しかった。

ラクダに乗っての砂漠の移動や強烈な砂嵐には撮影の過酷さも容易に想像出来る。当然ニコール・キッドマンの女優魂も垣間見える。

一つ一つのエピソードは若干ぶつ切りの繋ぎ合わせに見えなくもないけれど、それだけ多くの地を巡る探検家としての行動力や情熱、体力の意味ではやはり人並み外れてる。

何れにしても、神秘的な砂漠の風景を捉えた圧巻の映像美がとてつもなく壮大で詩情溢れる作品だった。

コレはコレで個人的には満足だったけど、やっぱりヘルツォーク監督らしさを感じる代表作たちもいずれ必ず観てみたい!
みんと

みんと