人肉を喰う死者たち”蘇生者”が蔓延した世界を舞台に、蘇生者を家族に代わって始末することを生業にする葬儀人(アンダーテイカー)の戦いと苦悩を描く…というストーリー。
蘇生者と呼ばれるゾンビが蔓延した世界で、依頼を受けて彼らを葬る葬儀人の戦いを描いた日本製ゾンビ映画です。
葬儀人である良一は子供の頃に蘇生者になった幼馴染の少女を始末できなかったトラウマを抱えていた。彼はある老夫婦の依頼で蘇生者と化した夫婦の娘を探し出し、止めを刺す為にかつて商業施設だった場所を訪れるが、という内容です。
長らく見たかった国産ゾンビ映画ですが、遂にDVDになり(と言ってもDVDになったのも結構前ですが)鑑賞する事が出来ました。
ストーリーは蘇生者と呼ばれる生ける死者達により崩壊へと向かい始めた世界。主人公の良一は依頼を受けて蘇生者達を殺す「葬儀人」として活動していた…という物。
物語は良一の少年時代と老夫婦の依頼を受けてある蘇生者の始末を行う良一の姿が描かれますが、良一を単純なゾンビハンターにしなかったのが本作の特色といえます。
少年時代に蘇生者と化した幼馴染の少女を殺せなかった事がトラウマになっている良一は依頼者の心情を理解できる半面、自分たちの気持ちの整理をつける為、「忘れる」為に蘇生者の始末を依頼する彼らに一種の理不尽も感じている。セリフの少ない中でそんな良一の心情を丹念に描いてこれまでのゾンビ映画にはない味を出していると思います。
序盤の少年時代のシーンも、日常における非日常を淡々と見せながらも、世界観もきっちり見せてくれます。
登場するゾンビはノロノロのようで小走りしたりするタイプですが、その数は多くなく、グロシーンも殆どないですが、死体写真等を参考にして作られた、ミイラみたいな乾いた質感のゾンビメイクは中々の物です。土左衛門ゾンビは強烈でした。商業施設で出てくる上半身のけぞった状態で追い掛けてくるゾンビの開いたボロボロの瞼から白い液体ドロリと出てくる所はちょっと強烈でしたね。また、登場するゾンビの数が少ない分、一体一体にキャラクターを持たせています。商業施設で登場する、カートにガラクタを集めている老人ゾンビ、髪の毛が繋がっている服を取り合っている女性ゾンビ二体、モップを持っているゾンビなど生前に執着していたものが感じられる所がゾンビは怪物であると同時に元は人間だった犠牲者でもあるんだよな、と感じさせます。また、本作のゾンビは片言というか、単語を話すことが出来る「アイアムアヒーロー」のZQNみたいな特徴があって、自分で自分の首をコードでしめながら「殺して…殺して…」と喋るゾンビや、依頼された相手である娘ゾンビが赤ちゃん抱えながら子守唄歌っているシーン等は哀愁感じさせましたね。
主人公の改造したスコップ使ったアクションシーンも、動きのキレが良くて結構迫力あったと思います。ただ、低予算の粗隠す為もあるのか暗い中で行われるので見辛いのは残念でした。
娘ゾンビを倒した後に、主人公がバックヤードで目にする光景も切なさを感じさせます。彼らは最後の愛しい記憶を頼りにさまよっているのかな…
最後の依頼者との会話で依頼者の悪意というか、意地の悪さのような物が垣間見える所も良かったですね。まあ、彼らは彼らで孫の事を思っての事なんだろうけど。
物語の序章という感じで、描かれる依頼も一件だけでちょっと物足りない所はありますね。主人公の師匠であろう老婆のエピソードももっと見たいですし。あの老婆は存在感あったなぁ。
ラストシーンは何ともいえず印象的な画でした。
ウジャウジャ出てくるゾンビをガンガン倒すような映画を期待すると肩透かしでしょうが、和製ゾンビとしては徹底してシリアスで他とは異なる肌触りの映画で好印象でした。
続編も見てみたいですね。大分時間たってるからもう作られる可能性は低そうではあるけど。