女子大生シェリルはベルリンの地下鉄で奇妙なマスクをつけ男に映画の試写状を渡される。彼女が友人のキャシーと共に出かけた映画館では、ノストラダムスの墓を暴いた若者が復活した悪魔に殺されるという内容の映画が上映され…というストーリー。
ダリオ・アルジェントが製作と脚本を手掛け、イタリアンホラーの巨匠マリオ・バーヴァの息子ランベルト・バーヴァが監督したオカルトゾンビ映画です。
上映中、映画の内容と同じく、ロビーに飾られていたマスクを冗談で被った女性がデモンズと化し、次々と観客に襲い掛かる。劇場の出口は閉ざされ、脱出不可能の状況の中で殺された者もデモンズと化し、増殖していく。シェリルとキャシーは、劇場で知り合ったジョージとケンと共に脱出の道を探るが、という内容です。
巷の評価はあんまり芳しくなかったりしますが、個人的には傑作ゾンビ映画の一つですね。やはり子供の頃に見て強烈な印象植え付けられてますからね。
試写状を渡されて映画館を訪れた観客たちが惨劇に巻き込まれていきますが、上映中の映画と同じような惨劇が現実でも同時進行していくアイディアと、閉ざされた映画館の中でデモンズに襲われて次々とデモンズになって増殖していく設定も怖くて素晴らしいですね。これは映画館で見たらもっと臨場感あるんだろうな。
登場するのはゾンビではなく正確には悪魔で、クトゥルフ神話を基盤にしているようですが、襲われた者もデモンズと化して増殖していくという展開はゾンビ的ですね。血管が浮き出た特殊メイクと、口から緑色のデモ汁を垂らしながら唸り声上げて獣の様に上げて走りながら襲い掛かってくる様は肉食動物に襲われるような怖さと迫力ありますね。舌がニューっと伸びたり、爪が割れて新しく鋭い爪が生えて来たり、歯が抜け落ちて牙が生えてくるデモンズへの変身シーンも、アナログな特殊メイクや特殊効果が独特な生々しさや不気味さを出していたと思います。爪で喉を引き裂いたり、目玉を抉りだしたり頭皮を引き剥がしたりといったグロ描写も流血量共に素晴らしい。
終盤でデモンズになった女性の背中を引き裂いて登場する角の生えたゾンビ「アキロンの大王」は、ボスキャラかと思わせて一人引っ搔いた後に何処かへ行っちゃいますが、その後もデモンズの群れに混じってサブリミナル的にチラチラ登場してるんですよね。ラスボスかと思ったら日本刀で切られた上に、雑魚に混じってヘリのプロペラで顔面削がれて瞬殺されるのは別の意味でショックシーンですが、元々は名無しの怪物を配給の東宝東和が超訳で勝手にボスキャラ仕立てたせいではありますが。
登場人物も多い割に、最初ただのナンパ野郎だったのに後半でいきなり戦士と化すジョージや最初DQNのチンピラって感じだったのにリーダー格みたいになってナイフ一本でデモンズ倒したり活躍する黒人トニー、バカップル、盲人なのに映画見に来た人などそれなりにキャラ立ってますね。ヒロインはじめ、女優陣皆キレイなのはアルジェントが製作に関わっているからかな。アルジェントの長女のフィオーレもカップルの彼女役で出演してます。セクシーで怪しげな感じの受付嬢役で「サスペリアPART2」や「処刑男爵」で変な子役として印象深いニコレッタ・エルミも出演してます。マスクをかぶった男と劇中で上映される映画で仮面を被ってデモンズ化する男を「デモンズ95」や「アクエリアス」等を手掛ける監督のミケーレ・ソアビが演じてます。あの仮面被ってデモンズになって悪魔の手先になったという事か?
中盤くらいで麻薬を吸いながら街を流しているチンピラ達に結構尺割かれますが、一応、オチに繋がる要素には関わってるけど、主人公達と絡むことなく退場しちゃうので尺稼ぎ要員にしか感じられない所もありますね。
終盤のジョージがシェリルを乗せてバイクと日本刀使ってデモンズたちを血祭りにあげて無双していくシーンは、軽快なロックのBGMと相まってかなり爽快感あってテンション上がって楽しかったですね。ゴブリンのクラウディオ・シモネッティが手掛ける音楽はいz目。全体的に音楽も素晴らしいです。その後のいきなりヘリが墜落してくる展開も無茶苦茶だけど楽しめました。「ゾンビ」のヘリではと言われたりしましたが、製作陣に否定されましたね。
ラスボス的存在になったマスクの男も呆気なかったですね。しかし、主人公達エグイ殺し方するなぁ(笑)
ラストの終末的な世界観も好みですね。エンドロールの後のオチも楽しめました。腕怪我してるあっちの方が変身するかと思ったら…まあ、単純に観客ビックリさせるためにこっちを選んだんだろうけど。
久しぶりに見ましたがやはり楽しめましたね。ホラーファンなら必見の作品でしょう。