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彼の見つめる先にのnozomiのレビュー・感想・評価

彼の見つめる先に(2014年製作の映画)
4.0

盲目の少年の初恋と友情を描いた作品。

ブラジル・サンパウロで暮らす目の見えない少年のレオは、初恋を夢見る普通の高校生。幼なじみのジョヴァンナとはいつも一緒に過ごしている。ちょっと過保護な両親から離れたい気持ちがあり、留学をしたいと思っている。

ある日、レオとジョヴァンナのクラスに転校生のガブリエルがやってくる。他のクラスメートと違い、目の見えないことをからかったり嫌がらせをしない彼と、レオとジョヴァンナは次第に親しくなっていく。

盲目のレオがガブリエルと出会ってから初めて体験したことは、映画や月食を見に行ったり、ダンスをしたり…彼が今まで経験したことなかったことばかり。新しい世界に引き込んでくれるガブリエルと仲良くなる一方で、今までレオを支えてきたジョヴァンナは自分が必要とされなくなってしまったように感じる。

本作の元になったのは、ダニエル・ヒベイロ監督が2010年に手掛けた短編映画「今日はひとりで帰りたくない」が公開当時に人気となり、監督自らの手で長編映画化。

誰かを好きになったり、または嫉妬したり、親に反発してしまったり…。10代の揺れ動く感情や、友情も初恋の様子も繊細に描かれていて、とても良かった。

ただ自然とその人のことを好きになって、たまたまそれが同性だった…それだけのこと。

レオとジョヴァンナの友情にも胸があたたかくなりました。甘酸っぱくてみずみずしい、素敵な青春映画でした。 
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