ちろる

孤独のススメのちろるのレビュー・感想・評価

孤独のススメ(2013年製作の映画)
3.9
ほんとに始まりから最後まで一歩先に何が起こるのか全く展開が読めなかった作品。

孤独とは。
孤独とは慣れてくればだんだんなんともなくなる。
人恋しくてもうそれなりにやり過ごすこともできる。
でも、ひとたびまた温もりを感じてしまったら、失うことはとても恐ろしい。
神の家はいつも誰にでも開かれているはずなのに、見知らぬ男テオと共同生活をフレッドを訝しむクリスチャンの住民たち。
オランダって勝手にもっと自由な思想の国だと勝手に思っていたのに、田舎町は結構アイルランドみたいに閉鎖的なのね。

厳格なクリスチャンで真面目一徹なフレッドがテオとの絆を深めるにつれて少しだけコミカルな人間になっていく様子が良い。
フレッド&テオのイベントおじさんの展開も、フレッドの新たな目覚め?の展開もある意味強引なのかもしれないけど、何故か観ている間は違和感を全く感じない。
むしろ静かに染み渡る。
もういいや、ソドムとゴモラでも!
大切に思える人がそばにいる。
そして互いに居心地がいい。
人間関係ってそれ以上でもそれ以下でもないのだ。
ちょっとだけ切なくて、ちょっとだけ優しい気持ちになって、それでクスって笑えるシーンもあって、淡々としながら奇想天外!
ありそでなかなか無い良作にまた出会えて良かった。
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