天豆てんまめ

女優マルキーズの天豆てんまめのレビュー・感想・評価

女優マルキーズ(1997年製作の映画)
2.3
13歳で「ラ・ブーム」でデビューしたソフィ・マルソーが30歳の時は、既に大ベテランの時期に入っているが、貧しい踊り子から宮廷女優まで上り詰めるという女優マルキーズという役を、ベテラン感を感じさせないピュアな魅力で演じている。

特に冒頭から幾度も踊るダンスシーンは、バレエの素養があると思うが、軽快で可憐で目を引く。ただ、17世紀フランスを舞台なので、コスチューム映画は眠くなるという私の中の定説どおり、やはり眠くなる。

マルキーズをパリに連れてきた劇団役者の夫が、彼女の野心の為に、他の男との逢瀬も認め、影で支えながらも途中舞台で命を引き取るのだが、、そのいい奴ぶりが哀しい。
この夫との信頼と深い愛、そして宮廷作家のラシーヌとの恋と栄光が対比的に描かれるのだが、最初の天真爛漫からラストの狂気性まで、彼女の演技を堪能した。

フランスの女優は、米国ハリウッド女優とはまた違ったアンニュイな魅力があるが、
特に、ソフィ・マルソーとエマニュエル・ベアールは90年代、突出した輝きを放っていたと思う。