天才猟奇殺人鬼スパイダーをFBIと追っていたDr.リーマンは、スパイダーの罠により人質と救出チーム全員が死亡した事態に責任を感じFBIを引退。精神病院に戻るが…というストーリー。
トラップを仕掛ける謎の天才シリアルキラーを追うサスペンススリラーです。イタリア産だけど言語は英語です。
ある日、交通事故で記憶を失った青年マシューが施設に運び込まれてくる。マシューはニックという依存症患者と知り合い、ニックは診療室からリーマン医師が保管していたスパイダーの犯行を映したビデオテープを発見してくる。実はマシューは数少ない生き延びたスパイダーの犠牲者の一人であり、その影響か特殊な能力を身に着けており、その能力を使ってスパイダーの正体を掴もうとする、という内容です。
冒頭、スパイダーが人質を捕らえている建物へリーマンの反対を押し切ってFBIの特殊部隊を突入させると、ジャケの様な状態で吊るされた人質たちを発見し、救出しようとワイヤーを切るとトラップが発動して大量のアブに襲われたり、トラバサミで頭挟まれたりして人質もろとも救出チームも全滅するシーンは「お!」と引き込ませてくれて掴みはOKですね。ただ、激し目のシーンはここだけで、その後は事故で記憶を失い、その代わり精神感応で物に触れると何が起こったか見える能力を身に着けた青年マシューが主人公となり、資料でスパイダーの事件を知ってその正体を突き止めようとする展開が本筋となります。最初主人公かと思ったリーマン医師はマシューのカウンセリング担当したりするけど、全然事件捜査に乗り気じゃなく終盤までほぼ関わってきません。
依存症患者のニックと、スパイダー事件を追う女性記者ホープと共に事件を追う展開はオープニングと比べると地味なんですが、ニックのキャラが面白くて可愛げがあったので個人的には飽きずに見れましたね。ただ、手掛りや資料見て捜査して謎に迫っていくんじゃなく、マシューの特殊能力で手掛かり見つけたり謎を解いていくので、純粋なミステリーサスペンス期待した人は「ちょっと違う…」となるかもしれませんね。
登場人物が主人公マシュー、リーマン医師、相棒ニック、女性記者くらいしか主だった登場人物いなくて、後は記者の上司やFBIの刑事くらいしか出てこず、登場人物が少ない上に後半からあからさまにニックが怪しい感じ出してくるんで「スパイダーの正体はアイツかな?」と見当付いちゃいました。これは多分見てる人大体気付くんじゃないかな?
後半からラストにかけてのどんでん返しは中々目が離せないものでしたが、同時に「やっぱりな…」とも思っちゃいましたね。犠牲者に投与されてる薬がなんなのかやけに詳しい時点で確定だと思いましたね。アイツも捜査側というか仕掛けてる側だとは思わなかったけど。ネタ的には「○○○〇ー○○ラ〇〇」とか類似ネタあるし、人によっては反則落ちと感じる人もいるかもしれませんね。
個人的には地味ではあるけど良質のサスペンススリラーだと思いました。