心に残るセリフがあった。
「夢は向こうから近づいてこない。
追うんだよ」
そう言いながら、夢を追ったカリート。
愛する人との静かな幸せを願ったカリート。
だが、身に染み付いてしまった「悪」と「縁」は断ち切れなかった。
人は笑うかもしれないけれど、彼はきっと本気だったんだろう。
私も祈った。
どうか無事に列車に間に合いますようにと。
夕陽に染まるポスターが踊りだす地、そこは永遠の楽園。
それが決して幻ではなかったと、私は思いたい。
*****
実に男臭いロマンス。
アル・パチーノの絶大なる存在感。
ショーン・ペンの髪がチリチリ過ぎて、ずっと誰だかわかんなかった。
え〜と、誰だっけ、この人?ってずっと考えてて、やっとわかった時、笑った。
今まで観たデ・パルマ作品で一番沁みたかも。
スコア的には『アンタッチャブル』や『キャリー』の方が上だけど、涙が出たのは本作が初めて。
裏切りしかなかった世界だけど、愛する女性だけは決して裏切らなかった。
そこに泣けた。
やっぱり愛だよね、愛。
たったひとつの信じられる愛さえあれば、人は生きていける。
これは最高のラブストーリーじゃないかなって、そう思った。