ぶちょおファンク

オン・ザ・ハイウェイ その夜、86分のぶちょおファンクのネタバレレビュー・内容・結末

3.0

このレビューはネタバレを含みます

序盤★2.5 中盤★3.5 終盤★3

“聖書”がキーワード?

主人公アイヴァン(T.ハーディ)は
家庭や仕事に対して責任感があるのか無責任なのか、
魔が差したとは言えひと晩だけの過ち、
ひと晩が免罪符だとしても
無責任な行動だったのに違いなく。。。

急ぎたいけど急ぎたくない、
“安全運転”という言い訳で
ロンドンへ向かうハイウェイで法定速度をきっちり守り
次々と後続車に追い抜かれて行く様は、
アイヴァンの心境を表していて面白い。

建物とその基礎になるコンクリート、
もちろん資材の全てにおいて計算され、
予算も関係するとは言え、
作るものに合わせて慎重に選び抜く。
そこにミスがあれば土台は脆弱に、
壊れやすく最悪建物は崩壊に至る。
それは人生も同じなのかもしれない。。。

車中での閉塞感、
仕事も建築関係で一般的な話題でもなく、
その息苦しさが86分続くのが
退屈っちゃあ退屈ですが、
ちょっと“聖書”に書かれてある有名な言葉を
暗喩的に入れてるように中盤から感じ、
「I am a father」とか「bible」等のセリフ、
大きな建造物は“バベルの塔”、
“リンゴ酒”はアダムとイブの禁断の果実、
って考え観てたら、「Waiting for God」ってセリフもあり、
やはりそうなんだと勝手に解釈し、
中盤以降は贖罪の物語として興味深く観れました。

誰もいないバックミラーを睨みながらの独白、
それはまるでR.デ・ニーロ『タクシードライバー』のような狂気を孕むT.ハーディの演技は素晴らしかった!

ポール・トーマス・アンダーソン監督作
『マグノリア』では“8と2”の数字がキーポントになっており、
本作の86分という数字も気になったので調べてみると、
ヨハネ8章6節ら辺では“姦淫”について書かれているようで、
これは意図的なのかはわからない。。。

トム・ホランドはこども役だったのかな???

2019年30本目